テナガツノヤドカリ

特徴

(写真2019年8月上旬採集。約2cm(貝殻の大きさ)左のハサミの方が大きいのと羽根状の第2触覚が特徴。目盛りは5mm)

レア度:★★★☆☆ 節足動物門 軟甲綱 十脚目 ヤドカリ科 ツノヤドカリ属 学名:Diogenes nitidimanus​ 英名:? よく見られる季節:4~10月?

大きいもので貝殻を入れて500円硬貨ぐらいの大きさになる。浦安でよく見られる(というかほとんどのヤドカリがこれ)「ユビナガホンヤドカリ」は右のハサミが大きいのに対し、本種は左のハサミが大きい。また羽根状の触覚を持ち、これを振り回して水中に浮遊するエサを集めて食べる。また「ユビナガホンヤドカリ」と同様に生物の死骸や砂中のデトリタスも食べるそうだ。

私はずっと「三番瀬の浦安側に生息する小型のヤドカリは、全てユビナガホンヤドカリ」思い込んでいた。しかし2018年ぐらいから「どうやら左のハサミが大きいヤドカリがいる」という話をチラホラ聞くようになり、それから三番瀬で見かけるヤドカリを注意深く観察していたところ、2019年8月上旬にこのテナガツノヤドカリを発見した。

このテナガツノヤドカリは「イボキサゴ」という巻貝を好んで宿として利用するらしい。「イボキサゴ」は長らく三番瀬では絶滅したと思われていたのだが、2019年に三番瀬での「イボキサゴ」の生息が正式に再確認されたのだ。おそらく「イボキサゴ」の増加に合わせてテナガツノヤドカリの個体数も増えたのではと推測している。

繁殖期は春から秋までと長いらしい。

(2020年4月)

2021年4月上旬採集。貝殻から外に出たテナガツノヤドカリ。約4㎝(左右の脚先~脚先までの幅)
貝殻から出たテナガツノヤドカリ。左のハサミがゴツくて大きい。目盛りは5mm
貝殻から出たテナガツノヤドカリ。普段貝殻に隠れている部分(腹部)は柔らかく、渦を巻いている。目盛りは5mm

採集する

(写真:2019年8月撮影。「イボキサゴ」の貝殻に入ったテナガツノヤドカリ)

採集は単純で、見つけたら拾うだけ。「イボキサゴ」の貝がらに入っていることが多いそうので(「イボニシ」にも入っているが)、「イボキサゴ」の貝殻を重点的に拾うと良いかも。護岸上や波打ち際よりも、少し沖の砂の上で発見することが多い気がする。

飼育する

(写真:2020年4月下旬採集。約2cm(貝殻の大きさ)。この個体はハサミが太くゴツイ。オスだろうか?)

大きめのテナガツノヤドカリ(写真)が採集できたので、自宅水槽で飼ってみることにした。

この個体だけなのかもしれないが、あまり動かずじっとしていることが多い。落ち着いているという感じだ。エサを与えても「我先に!」とエサへ突進する「ユビナガホンヤドカリ」と違い、動きは静か。動きは静かだが警戒心はそれなりにあり、ピンセットなどを近づけるとサッと貝殻の中に隠れてしまう。

エサは配合飼料や冷凍ブラインシュリンプ、クリル(乾燥エビ)などを与えてみたが、そのようなエサはあまりお気に召さない様子でほとんど食べてくれなかった。ときどき水中のエサを集めるためか、羽根状の第2触角を振り回していた。長期飼育にはプランクトン的なエサを与えてやる必要があるのかもしれない。

また写真の個体は自身のハサミが大き過ぎて前に移動しにくいのか、後ろ向きで移動することがほとんどだった。

それと貝殻の引越しは頻繁に行うようで、1日の間に同じ2つの貝殻を行ったり来たりするということもあった。

自宅で飼育している個体。左のハサミがゴツくてでかい。薄いコバルトブルーの眼(眼柄)が美しい
羽根状の第2触角をブンブン振っている様子