アカニシ(白色個体)
特徴
(写真:2022年3月下旬、三番瀬で採集。貝殻の長さ約3cm。貝殻が真っ白な「アカニシ」。かなりレアらしいが…果たして…。目盛りは1cm)
レア度:★★★★★★★★☆☆ 軟体動物門 腹足綱 新腹足目 アッキガイ科 学名:Rapana venosa 英名:Rapa whelk よく見られる季節:?
2022年3月下旬、三番瀬の南東側の干潟で発見。ちなみに発見したのは私ではない。
浦安では割とメジャーな巻貝である「アカニシ」の、貝殻のみが白くなっている個体。たしかにこんなものは今まで一度も見たことがない。スタッフさんの話ではとてもレアらしい。
「アカニシ」の詳細については、リンク先のページを参照して欲しい。
語るより実物を見た方が早いと思うので、下の写真を見てくれ!!
(追記:2023年8月25日)採集してから約5か月飼育を行い、殻長も5cmまで成長したこの白アカニシ…貝殻に変化が現れた。大きくなるに連れ、真っ白だった貝殻に褐色の斑点が現れ始めたのだ(下の写真参照)。しかもこの斑点模様の感じ…過去に見たことがある。
あれだ、白地に模様が入るタイプの「アカニシ」だ。「アカニシ」のページにも書いたが、浦安の「アカニシ」には貝殻の色彩3パターンほどある。赤みが強い褐色のもの、暗い褐色のもの、白地に黒や褐色の模様が入るのものの3つだ。
おそらくこのページの白アカニシも、成長すると上記の白地に黒や褐色の模様が入ったタイプの「アカニシ」になるのではと個人的に推測している(これはこれでちょっと珍しいんだけど)。うーん、純白のまま大きくはならないか~。ということで2022年8月でこの白アカニシの飼育を終了することとした。
(2023年8月)
飼育する
(写真:「マガキ」の貝殻に取り付き、貝殻に穴を開け中身を食おうとしているアカニシ(白色個体))
引き取り手がいないということで、我が家で飼うこととなった。取りあえず自宅水槽2号に入れてある。
「アカニシ」は経験上、砂が厚めに敷いてある水槽なら、特にエサやりをしなくても、砂に潜ってかなりの期間生存してくれる(年単位で。何を食っているのかは不明だが)。ただウチの水槽はそれほど砂の量もないし、何かエサやりをしなくてはいけない雰囲気。
試しに冷凍アサリを近づけてみたが反応なし。うーん困ったなぁ。やっぱり生きた貝が必要なのだろうか?
水槽に入れて数日後、「姿が見えないなぁ。砂に潜ったか?」と思っていると、気まぐれで同水槽に入れていた殻長7cmほどの「マガキ」の貝殻の下側にベッタリくっついていた。そう、「アカニシ」は「マガキ」をよく食うのだ。同居させる「マガキ」は全滅させられる場合がほとんど。
ただ、この小さい水槽で自分の倍はある「マガキ」を食うとなると、水の汚れは深刻なものになるだろう。この「アカニシ」くんには申し訳ないが、「マガキ」からは引っぺがして別のエサを食ってもらうようにするか。フジツボ類とか、イガイ類とかどうかなぁ。採集楽だし。
(追記:2022年4月29日)自宅水槽2号で2022年3月下旬から開始したこのアカニシ(白色個体)の飼育。その生活パターンが少しわかってきたような…。水槽で飼う場合は砂に潜るか、構造物の裏側など目立たないところにくっついてじっとしていることがほとんど(「マガキ」が水槽内いるとその貝殻の下側にくっつくことが多い)。そしてときどき水槽内を移動したり、壁をのぼったりする。じっとしているのと、活動しているとの割合は7:3といったところか(水温20~23℃の範囲では)。
高水温にはかなり強いようで、水温28℃でも活性は著しく落ちたりはしない。
水槽内では何を食うのかよく分からなかったので、特にアカニシ用のエサやりはしていなかったのだが、それでも1か月以上は余裕で生存する。さすがに何か食べて欲しいと思ったので、「アカニシ」が活動しているときに、「アサリ」のミンチをピンセットで「アカニシ」に近づけてみた。そうすると、しばらく間があった後、体の前方から筒状の吻(ふん)?を伸ばし、「アサリ」のミンチを吸いつくようにして食べ始めた。
「アカニシ」が何かを食べるのをはっきりと見たのはこの時が初めてであった。以前与えたクリルには見向きもしなかったが、やはり新鮮な「アサリ」だと違うのだろうか(ちなみにこの「アサリ」も三番瀬産)。
(追記:2022年8月9日)飼育して分かったことだが、エサのタイプによって食い方は様々で、また食事にはかなりの時間をかける。まず上に書いた通り、「アサリ」の身のように柔らかいものはそのまま食う。
貝類の中でも「マガキ」は好むようで、水槽内に「マガキ」を入れると、いつの間にか「マガキ」の下側の貝殻にへばりつき、そのままかなりの長時間動かない(数時間~1日間?)。その間何をしているかというと、「マガキ」の貝殻に直径2mmほどの穴を開け、そこから吻?を貝殻内部に突っ込んで中身を食っている。
そして中身を食いつくす or 満腹になると、人知れず姿を消す。サイレントキラーである。食われた「マガキ」は貝殻が大きく開くわけでないので(貝柱が残ることが多いため)、注意していないと貝殻内に残った「マガキ」の身が腐り水が汚れる。見事な食い方だが迷惑である。
他には「イボニシ」などの殻口が割と大き目の貝の場合は、貝殻には穴を開けず殻口に吻?を突っ込んで中身を食うこともある。