サッパ
特徴
(写真:2022年10月上旬採集。全長約7cm。浦安近辺でサッパと言うとこのくらいのサイズのものが多い。「ママカリ」という名で酢じめにされて野菜や魚卵と和え物にしてよく売られている魚はこのサッパのこと。目盛りは5mm)
レア度:★★★★★★☆☆☆☆ 脊索動物門 条鰭綱 ニシン目 ニシン科 学名:Sardinella zunasi 英名:Japanese sardinella よく見られる季節:7~10月
全長15cmほどまで大きくになるが、このあたりではそんなビッグなサッパに出会うことは少ないと思う。浦安では夏~秋頃になると、写真のようなサイズのサッパの小規模な群れを岸近くでときどき見かける(沖の方にはもっといるのかもしれない)。
江東区にある「若洲海浜公園」などではシーズン中イヤというほど釣れるので、海釣りデビューがこの魚だったという首都圏民も多と思う。
「ママカリ」という別名で有名なサッパだが、これはサッパの消費が盛んな岡山県の公式HPによると「ママ(御飯)をカリ(借り)に行くほどおいしい」ということからママカリと呼ばれるようになったのは有名な話ですが、脂が乗る旬の時期が秋の稲刈りの時期にあたるため、「ママ(稲)を刈る」ことからママカリとなったとも言われています。』とのこと。
体型は細長い木の葉のようで平たく、特に腹部は著しく側扁する。体色は背面~体側の上部が緑がった青色で、その下は白銀色となっている。口の周辺と尾びれ、背びれはレモン色に染まる。
体全体が比較的大きめのウロコで覆われており、ウロコは光をよく反射し、また光の反射具合によっては背面が金色っぽく見えることがある。また腹部の下方には稜鱗があり、触るとギザギザとしているウロコは剥がれやすいが、これでもニシン科の魚の中では剥がれにくいそうだ。
幼魚~若魚のサッパは小型の「コノシロ」によく似るが、「コノシロ」は体側に黒い斑点が並ぶこと、「コノシロ」の背びれの一番後ろの筋(軟条)が1本細長く伸びていることからサッパと見分けることができる。
主にプランクトンを食べるらしいが、具体的にどのようなものを食べているかは調べても良く分からなかった。
サッパの背中に灰黒色の細長いダンゴムシのような生物が付着していることがあるが、あれは「サッパノギンカ(サッパヤドリムシ」という寄生甲殻類である。
(2020年8月)
(2024年3月)
採集する
(写真:2023年10月上旬、三番瀬で撮影。岸近くの浅瀬にサッパの群れが現れた。よく見ると魚体の頭部の後ろに黒い物体がくっついているが、これがサッパに寄生する甲殻類「サッパノギンカ(サッパヤドリムシ)」だ)
手っ取り早くサッパの姿を見たいなら、夏~秋に江東区にある「若洲海浜公園」に行って、サビキ釣りをすればかなりの高確率で釣れる。浦安でも釣れないことはないが、群れがいつどこに回ってくるかは分からないので初心者には難しいかもしれない。
あまり口が大きくない魚なので、サビキの針は3~5号で良いだろう。色は白とピンクがあればいい(「ママカリサビキ」という商品があるのでそれでもOK)。サビキの上にキラキラ光を反射する集魚板を付けるのも有効。
サッパは海の上層~中層を群れで泳いでいることが多いので、その辺りにサビキが来るようにして、かるく上下にサビキを動かして誘いを入れる。エサはアミコマセを使う。サッパが釣れ始めるまではジャンジャンエサを撒いて魚を寄せる。コマセカゴを使っても良い。
サッパの回遊がある場所なら難しいことを考えなくても釣れるので、サッパ釣りに飽きたらサビキを海底の方まで落として別の魚を狙ったり、活きたサッパをエサにした「泳がせ釣り」で大物を狙うのも楽しい。
写真の魚はタモ網で採集したものだが、サッパはなかなか動きも早く警戒心も高いので、タモ網での採集は結構大変かも。コツとしては、サギなどの水鳥になったつもりでタモ網を構えてじっと動かず、サッパの群れが近寄ってくるのを待ち、群れが射程距離に入ったら一気に上からタモ網を被せると採れる。
ちなみに浦安では投網を使って大量に獲っている人を見たこともある。