ドロメ

特徴

(写真:2015年4月中旬、河口付近で撮影。全長約12cm。釣り人が釣ったもの撮影させてもらった。このような大きなドロメは私が生物採集する場所ではレアである)

レア度:★★★★★★★☆☆☆ 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 ハゼ科 学名:Chasmichthys gulosus 英名:Gluttonous goby よく見られる季節:4~?月

全長15cmほどまで成長する。沿岸の岩礁域やタイドプールでよく見られる魚らしいが、私は浦安では3回ぐらいしか捕まえたことがない。同属で姿もよく似る「アゴハゼ」なら頻繁に採集するのだが…。ドロメ成魚は「アゴハゼ」とは生息場所が異なったりするのだろうか(ちょっと深めのところにいるとか?)。

ただ春から初夏にかけては浦安の岸近く浅瀬や河口~河川内でアゴハゼ系の稚魚が大量に出現するし、その中にドロメの稚魚も含まれていると考えている。にもかかわらず、タモ網採集でドロメの未成魚~成魚を発見することはとても少ない。

先にも書いたがドロメは「アゴハゼ」という魚によく似ており(十分成長したものはそんなに似ていないが)、特に稚魚~幼魚だと見分けるのがなかな苦労する(結局結論が出せないことも多い)。

両者の見分けだが、①「アゴハゼ」の胸びれと尾びれには明瞭な黒い点列が見られるのに対しドロメにはそれが見られない、②ドロメの尾びれの後縁には白いフチ取り見られるのに対し「アゴハゼ」にはそれが見られない。③アゴハゼの胸びれでは上方の軟条が遊離している、という特徴から見分けることができる。

また写真ぐらいまで大きく成長したものなら見た目はけっこう違うと思う。例えばドロメの頭部は「アゴハゼ」より潰れた感じだし、ドロメの体色の方が濃いというか…体全体が同じ色っぽいというか…。あと体の模様も「アゴハゼ」は横シマ模様っぽくなるのに対し、ドロメでは体中に散らばる小白点が目立つ。あとは最大サイズはドロメの方が大きくなる。

ドロメの食性は雑食性で、小魚やゴカイ類、小型の甲殻類、藻類など様々なものを食べる。産卵期は早春~春で、転石の天井に産み付けられた卵をオスが保護する。

ハゼ釣りの外道として「ダボハゼ」と呼ばれる魚の1つ。

ある人の話ではなかなか味の良い魚らしく、天ぷらにすると最高だとか。

 

参考として、以下に『日本大百科全書』の『ドロメ』の解説を引用させていただく。

『硬骨魚綱 スズキ目 ハゼ科に属する海水魚。口が大きく、左右の腹びれは合して杯(さかずき)状をなす。黒褐色をした体側には白い斑点(はんてん)が散在する。全長13センチメートルに達する。

日本および朝鮮半島に分布する。岩礁海岸の潮だまりおよび浅所で単独の底生生活を送る。ダボハゼと俗称されるハゼのなかの1種である。雑食性で、ゴカイ類、小形の甲殻類などの小動物および緑藻類を食べ、貪食(どんしょく)である。

春に石の下面に卵塊を産み付け、雄の親魚がそれを守る習性がある。仔魚(しぎょ)は春に海岸近くの浅所で海藻の茂みの間などで群泳する。夏には3センチメートルを超える稚魚へ成長し、底生生活へ入る。食用にはされない。[道津喜衛]』

(2020年5月)

(2024年4月)

2023年6月中旬に三番瀬で同サイズ(全長約4cm)のドロメと「アゴハゼ」が採集できたので、まずその尾びれを比較してみる。上が「アゴハゼ」で下がドロメの尾びれだ。黒い点列の有無が確認できると思う。目盛りは1cm
「アゴハゼ」の尾びれを拡大。鰭条に黒い点列が見られ、尾びれの後縁には縁どりのようなものは見られない
ドロメの尾びれを拡大。鰭条に黒い点列は見られず、尾びれの後縁には薄い黄色の縁どりが見られる。目盛りは1cm
次に胸びれを比較してみる。写真は「アゴハゼ」の胸びれで、尾びれ同様、鰭条に黒い点列が見られる

続いてドロメの胸びれ。鰭条に黒い点列は見られない。目盛りは1cm

尾びれと胸びれの比較に使用させてもらった「アゴハゼ」(上)とドロメ(下)。全長約4cm。死直後に撮影。似ていると言われる両者だが、こうやって並べてみるとけっこう違って見える。目盛りは5mm

採集する

(写真:こちらは2019年10月下旬に日の出の海岸で採集したドロメと思われる魚。全長約8cm。テトラポッドの穴釣りをしていたら釣れた。この個体はオレンジっぽい体色をしており初めはドロメと分からなかったが、よく見るとドロメの特徴である尾ビレの白い縁どりがよく見える)

私が生物採集しているエリアだと、タモ網で採集できるのは稀である。過去の発見記録を遡ってみると、河口付近の穴釣りで釣れたものが2個体と、三番瀬のタモ網採集で採れたものが1個体だ(もっと採れていたかもしれないが当時は知識がなく見逃している)。

そのような結果から、たくさんいる「アゴハゼ」と比べるとドロメの個体数が少ない印象があるが、ただ単にドロメが潜んでいる場所にアプローチできていないだけかもしれない(ドロメ成魚は潮間帯より下にいたりするのかなと勝手に想像している)。