カガミガイ

特徴

(写真:2022年5月下旬、三番瀬で採集。貝殻の幅約7.5cm。生きた状態で撮影。最大級サイズのカガミガイ。貝殻は円形に近く、表面には同心円状の筋が密に規則正しく並ぶ。生息環境によって貝殻の色は変化するようで、この個体は薄い藍色をしていた(図鑑などには白い個体が載っていることが多い)。目盛りは5mm)

レア度:★★★★☆ 軟体動物門 二枚貝綱 マルスダレガイ目 マルスダレガイ科 学名:Dosinia japonica 英名:Hard-shell clam よく見られる季節:?

最大で貝殻の幅が8cmほどになる。2022年5月下旬、三番瀬生物調査にて、岸から200m~ぐらいの場所で発見。誰かが掘ったのか、弱っていたのか分からないが、砂の上にゴロンと転がっていた。しかもかなりのビッグサイズ。ラッキーである。

というのも、ここ最近、生きたカガミガイをずっと見つけられずにいた(貝殻はよく落ちているのだが…)。私が三番瀬での生物採集を始めた2014年頃は、「アサリ」堀りをしていると4~5cmほどのカガミガイもポツポツ捕れたのだが、真剣に貝を探し始めた2021年頃からは何故か全然見つからない。特に2022年は全く見ていない(採っている人はいるとは思うが)。そのため、珍しい貝ではないものの、レア度は高めの設定となっている。

貝殻は円形に近く、色は白っぽいものが多いが、写真のように生息する環境によって貝殻の色は変化するようだ。貝殻表面には表面には同心円状の筋が密に規則正しく並ぶ。貝殻の頂点付近はくびれている(曲がっている)。また貝殻は「アサリ」などと比べると、厚みがありずっしりとしていて頑丈。

ただ貝殻標本を作製する過程で分かったことだが、カガミガイの貝殻の一番表面の層は衝撃にもろく剝がれやすいようで、私たちが海辺で拾うカガミガイの貝殻のほとんどはこの表面の層が剝がれてしまったものではないかと推測している。

上に書いた特徴から、カガミガイはよく「ホンビノスガイ」と混同されるが、両者を比較すると①「ホンビノスガイ」に比べカガミガイは貝の膨らみがなく、貝 殻表面の筋の並びも「ホンビノスガイ」の方が粗い、②殻頂点の横に見られる窪んだ部分(月面という)にあるでっぱりが、貝殻を真上から見ると「ホンビノスガイ」ではよく目立つが、カガミガイではほとんど目立たない、③あとカガミガイの貝殻の合わせ面は平らだが、「ホンビノスガイ」では合わせ面に細かなギザギザ並ぶといった違いがある。

ちなみにカガミガイも食用の貝である。決して不味くはないが、「アサリ」などと比べると旨味が薄いことや、身が硬い、砂が抜けない(抜けづらい)といった理由から人気はイマイチ。

(2022年6月)

反対の貝殻を撮影。貝殻は円形に近く、貝殻表面には表面には同心円状の筋が、密に規則正しく並ぶ。殻頂点付近はくびれている(曲がっている)。目盛りは5mm
右側から撮影。貝は大きさの割には膨らみは少ない。貝殻は厚みがありずっしりと重く頑丈。目盛りは5mm
殻頂の横に見られるくびれ部分(月面という)にあるでっぱりが、貝殻を真上から見ると「ホンビノスガイ」ではよく目立つが、カガミガイではほとんど目立たない
正面から撮影。ちょっと笑みを浮かべているように見えるのは私だけだろうか? 目盛りは5mm
後ろから撮影。貝殻表面の筋は、貝殻の背面に向かうにつれ粗くなっていて、触ると引っかかる感じがある
冷凍して身を取り出した後のカガミガイの貝殻。貝殻の内側は白い
貝殻のくびれ部分の左上には鋭いトゲ状のものがある
貝殻の合わせ面にギザギザなどはないようだ
貝殻標本作成の過程で気が付いたのだが、写真のようにカガミガイの貝殻の一番表面の層は衝撃に脆く剝がれやすいようだ。私たちが海辺で拾うカガミガイの貝殻のほとんどはこの表面の層が剝がれてしまったものではないかと推測している

採集する

(写真:貝殻をわずかに開くカガミガイ。弱っていたのか、自宅水槽2号に入れた翌日に死んでしまい、水槽がえらいことになった…ホントに最悪な事態に)

2014年頃は普通に三番瀬で潮干狩りをしていたら、ポツポツ見つかったのだけど最近(2022年頃)は滅多に見ない。

一体彼らはどこに行ってしまったのか…。東京湾奥の他の潮干狩りスポットではどうなのだろう?