チョウクラゲ

特徴

(写真:2025年1月、三番瀬で採集。全長約2cm。この写真では右を向いた格好となっている(写真右側が傘の頂点)。その存在を知らなければ「カブトクラゲ」か何かの仲間かな?とスルーしてしまいそうな姿だが、まさかあんな泳ぎ方をする面白クラゲだなんて…)

レア度:? 有櫛動物門 有触手綱 カブトクラゲ目 チョウクラゲ科 学名:Ocyropsis fusca 英名:? よく見られる季節:2月頃?

(同定にちょっと自身がありません。他の資料も参照して下さい。間違っていたら教えていただけると嬉しいです)

写真の個体は2025年一発目(1月)の調査にて採集。この時期は生物も少なく、岸近くの水温は10℃を下回り、加えて北風なんかが吹くと猛烈に寒い。もう若くない。完全に日和っていた私は、「今日は水に入るの止めておこー♪」と長靴のみの軽装。

潮間帯~潮だまりの生物を一通り観察し終え、そろそろ帰ろうかな?と思っていると、同行者の方から

「最近チョウクラゲっていうクラゲがよく出現してるみたいなんですよね~。蝶みたいに羽ばたくから「蝶水母」らしいです。まだこの場所では見つけてないから見つけたいですね」

とのお言葉。…それは興味深いですねぇ…心の奥底に採集欲の小さな火が灯る(この感覚かなり久しぶり)。

 

自慢ではないが水中を泳いだり漂ったりしている生物を発見するのは得意な私。「クラゲっつーことは潮通しの良い場所で、しばらく見張ってれば流れてくるかな?」と敷石の曲がり角部分でタモ網を構える。予想通り流れは強め。しかし海藻片などのゴミが多く、水中は見えずらい。…ダメだ!!

作戦を変え、潮に流されてきた物体が溜まりそうな、敷石の窪み部分に移動。そこには「ショウジョウケノリ」のような紅藻類がたくさん溜まっているが、クラゲの姿は水上からは見えない。取りあえずタモ網を突っ込みそのあたりをさらう。そしてタモ網内に入ったものをチェックすると

 

「…お!何かクラゲっぽいのが採れた!!採れましたよー」

すぐにそれを海水を張ったチャック付き袋に入れて、同行者に見せる。

「おぉ~!………これは、チョウ(くらげ)っぽいですねぇ」

 

まさかの一発目で採集。調子に乗って同じような敷石の窪み部分を攻めていくと、1掬い=1クラゲぐらいのペースでチョウクラゲらしきクラゲが採れる。かなりの数がこの周辺に流されてきているのだろう。ただ岸際で波に揉まれたせいか、捕まえたどの個体も体が損傷し弱っている様子であった。

最終的にこの方法で傘径1cm~5cmほどの個体を5個体採集できた。

 

さてワクワクの観察タイム。観察ケースに採集したチョウクラゲを入れる。…ん~あまり動きがない。櫛板の動きが観察できるので生きてはいるのだが衰弱しているのか。出来れば羽ばたく様子を拝みたいところ。

しばらく待ってもその様子がなかったので、取りあえず写真撮影だけ済ませておこうとピンセットで優しくクラゲの体の向きを変える。するとそれが刺激になったのか…羽ばたいた!!!

動画でお見せしたいところなのだが、その羽ばたきっぷりを説明すると、まず傘の両下端(袖状突起というらしい)をフッと左右に広げ、勢いよくそれを閉じ瓜型に体をすぼめながら、ヒュンッヒュンッといった感じで結構勢い良く移動する。

個人的には蝶というより、大きな翼を持った鳥がバサッバサッと翼を大きくストロークさせるイメージを持った(下の方に羽ばたいたシーンの写真があります。画質がアレですが)。

(2025年2月)

上の写真の個体の傘部分を拡大。写真上が上方向となる。傘の表面には櫛板が並んだ列が見られる
同個体の体の下部を拡大。ここが羽(袖状突起)と言われる部分。
同個体を真下から撮影した様子。左右に羽(袖状突起)と真ん中には口が見える
ちょっとわかりにくいが、これが羽ばたく直前、羽(袖状突起)を左右に広げたときの様子。ここから羽を勢い良く閉じることで泳ぐ
そしてこちらが羽(袖状突起)を閉じて飛び上がった瞬間。瓜のような形になってヒュンッっと力強く泳ぐ
そしてまた羽(袖状突起)を広げたときの様子。う~ん、観察ケースも汚いしカメラの映り込みもひどい。対策せねば