キセワタガイの一種①

特徴

(写真:2022年5月下旬に三番瀬で採集。大きさ約13mm。真上から撮影。写真右が前方となる)

レア度:? 軟体動物門 腹足綱 真後鰓目 頭楯亜目 学名:? 英名:? よく見られる季節:?

種類不明。「キセワタガイ」の仲間の何かということだけは判明した。

2022年5月下旬、まとまった雨が降った翌日に行われた三番瀬で発見。三番瀬浦安側でも底質がやや泥っぽい場所で、いつものようにタモ網で海底を引いていると、たまたま網の中に入った。

この日は同じキセワタガイの仲間の「ヤミヨキセワタ」が大量に採れたため、こいつも「ヤミヨキセワタ」かとスルーしそうになったのだが、詳しい方から「これはヤミヨじゃないですねぇ…」とのお言葉が。

 

(追記:2024年6月30日)「浦安市三番瀬環境観察館」のスタッフさんが、2024年6月下旬に三番瀬で写真と同種と思われるキセワタガイ類を採集し、それを「タソガレキセワタ」と同定した。大まかな見分けとして①「ヤミヨキセワタ」より体色が薄いこと、②頭部に黒色線が入らないこと(これは顕微鏡下で光を当てて観察しないと分かりにくいとのこと)が挙げられるそうだ。

 

ちなみに「キセワタガイ」とは分類的に大まかなくくりでいうと、巻貝などと同じ「腹足綱(ふくそくこう)」の生物で、その中でもウミウシなどが含まれる「後鰓亜綱(こうさいあこう)」にグループ分けされている。さらにその中の「頭楯亜目(とうじゅんあもく)」という、頭部に盾のようなものを持つ生物の一種だそうだ。

「キセワタガイ」の仲間は体の後方の皮の中に薄い殻が埋まっており、これは昔、巻貝であった時の名残らしい。つまり「巻貝のくせに貝殻は持たず、ウミウシのような形態をしているが、頭部には盾があり、背中には巻貝だった頃の名残の殻が埋まっている生物」と私は理解している(無理やり)。

頭部の盾(頭楯)はヘラ状をしており、これを器用に動かして砂の中に潜って移動をすることもある。

(2022年6月)

(2024年5月)

うーん何と形容していいか分からない見た目だ。体内が透けて見えている。写真右が前方となる
遠目でみると薄くくすんだ紫色をしている。目盛りは1cm
こちらは2024年6月下旬に三番瀬で採集され、「タソガレキセワタ」と同定された個体。大きさ約15mm。上の写真の個体とそっくりである