アカクラゲ

特徴

(写真:2020年2月下旬、河口付近で撮影。触手を含めた長さ約80cm、傘の直径約10cm。非常に長い触手を持つ。この個体は傘や触手に損傷がなく、とても状態が良い。美しい姿だ)

レア度:★★★★★★☆☆☆☆ 刺胞動物門 鉢虫綱 旗口クラゲ目 オキクラゲ科 学名:Chrysaora pacifica 英名:Brown jellyfish よく見られる季節:春

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2020年2月下旬、河口付近で発見。この時期はアカクラゲの他にも「カミクラゲ」「ミズクラゲ」、ウリクラゲ類など様々なクラゲたちを見かけた。クラゲのシーズンなのだろうか?

アカクラゲは最大で傘の直径が15cm、触手の長さを入れた全長は2mにも達するらしい。日本全国に生息し、私たちが最もよく目にする「毒クラゲ」の1つだろう。三番瀬や浦安の海沿い、河口などで春~夏にかけてときどき目にする。

 

『Wikipedia』の『アカクラゲ』の解説の一部を引用させていただくと、『傘には赤茶色の筋が入り、各8分画から5-7本ずつ、合計で40-56本伸びる長さ2m以上の長さの触手を持つ』とのこと。

 

触手の刺胞毒は強く、刺されるとかなり痛いそうだ。人によっては刺された場所が激しく腫れたり、アナフィラキシーショックを起こす可能性あるので注意が必要。

アカクラゲに刺された場合は、①まず水からすぐにあがる、②触手を取り除き患部を海水で洗い流す(水道水だと触手の刺胞が刺激され、毒針がさらに刺さる場合がある)、③刺された直後ならヤケドしない程度のお湯で患部を温めると毒が分解され痛みが和らぐ(しばらくして腫れてきたら冷やすのが有効なようだ)、④症状が酷い場合は医療機関へ。

また乾燥したアカクラゲの刺胞を吸い込むと、刺激でクシャミが出るらしく、別名「ハクションクラゲ」とも呼ばれる。これを昔、忍者や戦国大名が敵を攻撃するのに使ったとか使ってないとか。

死んだクラゲにも毒は残っているので、死骸を見つけても触らないように。また水面にゴミが溜まっているような場所には、クラゲやクラゲの切れ端も溜まっている可能性があるので、海で泳ぐ時には近づかないようにする。基本的に海遊びをする時はケガ防止や、日焼け対策も含めてなるべく素肌を出さないようにした方が良い。

そういえば、春~夏に東京湾奥でサビキ釣りなどをしていると、アカクラゲのものと思われる触手が針にまとわりついてくることがある。その状態では魚は釣れないので、注意して取り除こう。

他のクラゲ類と同様に、主に動物プランクトンを食べるそうだ。またアカクラゲは他のクラゲを捕食するクラゲで「ミズクラゲ」やウリクラゲ類を触手で捕らえているシーンを私も見たことがある(下の写真参照)。

(2020年4月)

(2024年5月)

アカクラゲを背後から撮影。太いリボン状の口腕(こうわん)と、細長い糸状の触手を多数持つ
このアカクラゲは5cmほどのウリクラゲ類を口腕(こうわん)で捕獲していた(写真中央の少し左に写るフットボール状で半透明のものがウリクラゲ類)
こちらの個体は2022年3月下旬に三番瀬で採集もの。触手を含めた全長約80cm。死骸だったが、状態が良かったためサンプルとして撮影することにした
傘の直径は20cmほど。傘の縁からは赤褐色の触手が多数伸びる。傘の内側中央からは、エサを口に運ぶための、太いリボン状の口腕(こうわん)が伸びている
触手の生え際を拡大。透き通った質感が美しい
触手の先端部を拡大。これに触れるとかなり痛いそうだ
傘を裏返しにしてみた。中心にあるのが口で、その周囲に4つの胃がある。胃の内部には茶色いものが溜まっているがエサだろうか?

口腕(こうわん)を拡大して見てみる。『口腕』とは『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』によれば、『口の周囲にある4本ないしは 8本の腕状あるいは棒状突起。 刺胞をもつことが多く、餌の捕獲、防御、呼吸などを行なう』だそうだ

口腕(こうわん)の先端部。アカクラゲは口腕もとても長い
口腕(こうわん)をさらに拡大。鳥の羽根のような雰囲気がある。このモシャモシャしている部分にエサがくっつくのだろう

採集する

(写真:2017年5月中旬、三番瀬で撮影。傘の直径約10cm。水中から、泳ぐアカクラゲの後方を撮影した)

浮かんでいるのを網ですくうだけ。ただ網ですくうと、触手や刺胞が網にくっついて残るので注意する。

それがイヤ、もしくはクラゲを傷つけたくなければ(飼育をしたい場合など)、バケツなどで水ごとすくって採集するのが良いと思う。