ホンヤドカリ
特徴
(写真:2024年3月上旬、三番瀬で採集。約2.5cm(貝殻の大きさ)。「浦安市三番瀬環境観察館」のスタッフさんが採集したもの。実は私はまだホンヤドカリを浦安で捕まえたことがない)
レア度:★★★★★★★★☆☆ 節足動物門 軟甲綱 十脚目 ホンヤドカリ科 学名:Pagurus filholi 英名:? よく見られる季節:?
写真は「浦安市三番瀬環境観察館」のスタッフさんが、2024年3月上旬に三番瀬採集したもの。
ホンヤドカリは日本全国の外洋に面した岩礁域の満潮線付近に多く生息しているらしい。ということは三番瀬浦安側の中でも南東の敷石やテトラポッドが密集する地帯あたりで見つかったのだろうか?
三番瀬を含む浦安沿岸には同じホンヤドカリ科の「ユビナガホンヤドカリ」が大量に生息しているため、小型のヤドカリを見つけても、「あ、ユビナガね」とついスルーしてしまう。きちんと探せばもっと見つかるのかもしれない。
本種の特徴と「ユビナガホンヤドカリ」との見分けについては、『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』の『ホンヤドカリ』の解説を以下に引用させていただく。
『節足動物門 甲殻綱 十脚(じっきゃく)目 ホンヤドカリ科に属する海産動物。日本全土と朝鮮半島の外洋性岩礁海岸にごく普通に生息する。満潮線付近に多く、干潮のときには石の下などに集まっている。20種以上の巻き貝を利用している。
甲長1センチメートルほどの小形種で、濃い灰緑色のじみな色であるが、歩脚の先端部の白色がよく目だつ。はさみ脚(あし)は右側のものが大きい。左右とも毛はないが、とがった小さな顆粒(かりゅう)で覆われている。腹肢は雄では3本、雌では4本。
抱卵期は11月から翌年3月。アメリカ太平洋岸のP. samuelisとは別種。各地の内湾の干潟には近縁のユビナガホンヤドカリP. dubiusが多い。この種は歩脚の指節が前節よりも明らかに長いので、ホンヤドカリとは容易に区別がつく。[武田正倫]』
(2023年7月)
(2024年5月)
飼育する
(写真:長い第2触角が白黒のシマシマになっている。短い第1触角の先端は橙色をしている)
そういえばホンヤドカリをちゃんと飼ったことなかったなぁということで、2024年3月上旬に採集したものを飼育することに。これを書いているのが同年5月中旬なので、2ヶ月経過したわけだ。
飼育感は「ユビナガホンヤドカリ」と大差ない。水の汚れ、環境の変化にも強いし、エサも最初から配合飼料を食べる。小型のヤドカリを攻撃、捕食するような生物と混泳させなければ、飼育は容易だと思う。
参考までに飼育環境は自宅水槽5号(30cm虫かごにサンゴ砂細目を敷いて、投げ込みフィルター2個)。水温20~25℃までは全く問題なし。比重1.023。水槽には砂を敷いてやった方がヤドカリが歩きやすい。エサはフレーク(ネオプロス)から始めて、時々粒タイプの配合飼料(おとひめ)も与える。
当たり前だが、引っ越し用の貝殻をいくつか水槽には入れてやると良い。
(追記:2024年8月18日)それから5か月が経過した2024年8月、上記の水槽で問題なく生存している。酷暑により水温28℃を超すときもあったが平気なようだ。