コトヒキの稚魚・幼魚
特徴
(写真:2024年7月中旬、河口付近で採集。全長約1.5cm。このサイズの「コトヒキ」の稚魚は採集時ではストレスや興奮のため、全身が黒くなっていることが多い。そのため「コトヒキ」の稚魚であると気が付きにくい。安落ち着くと成魚っぽい体色になる。目盛りは5mm)
レア度:? 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 シマイサキ科 学名:Terapon theraps 英名:Creacent-banded tigerfish よく見られる季節:?
(追記:2024月8月10日)2024年7月中旬にようやく「コトヒキ」の稚魚を再採集でき、またそれを飼育中である。以前よりも鮮明な写真が撮れたので写真の差し替えとページの更新を行うことにした。以下にはこれ以前の「コトヒキ」の稚魚の初発見~種類同定までの流れが書いてある。
(追記:2024年1月28日)この稚魚を採集した日から4年と5ヵ月…とうとうこの稚魚の正体が判明した!! 何と全く予想外だった「コトヒキ」の稚魚。「コトヒキ」は過去に何度か採集しているが…全く姿が似ていないではないか(笑) 稚魚…そして稚魚の同定という作業は本当に奥深い…(私はその奥深さを離れたところから眺めるのみである…)。
何故正体が判明したのかと言うと、ある稚魚の専門家の方が親切にもメールで教えてくれたのだ。超有名な稚魚図鑑(1冊数万円するような)の執筆者に名を連ねるようなすごい方である。そんな方が私のHPに目を留めて下さり、しかもアドバイスまでしていただけたことに感動感激であった。
いやしかし…私のHPがネットによる海洋生物同定の精度を下げてしまっているのではないかと、ちょっと心配にもなった(生物の同定は信頼性の高い複数のソースを用いて行いましょう)。
(以下、本ページ作成時に書いた解説)
種類不明。2019年8月中旬、南の強風が吹いて海が大荒れした翌日、河口に流されてきた大量の「アマモ」の中に隠れていたのを採集した。このような魚を浦安で見るのはこの時が初めてだった。おそらく海藻ごとどこからか流されてきたのだろう。
体は横に長い木の葉型で体色は黒い。よく見ると顔~体の下半分は銀色の下地の上に黒い点が密集している。また尾びれ、臀びれ、第2背びれ?、腹びれ、胸びれは透明のように見える。
やや攻撃的な性格のようで、一緒に採集した一回り小さい「シマイサキの稚魚」を追い掛け回していた。
詳しい方がいましたら、情報を頂けると嬉しいです。
(2020年3月)
(2024年8月)
飼育
(写真:稚魚隔離用のケースで飼育を開始した。水面に浮いたエサを食べている様子。ケース内には身を隠せるようなものを入れた方が良いようだ)
2024年7月中旬に採集した全長約1.5cmの稚魚が、確実に「コトヒキ」の稚魚であること確認するため、自宅水槽4号で飼育してみることにした。
環境は自宅水槽4号内に浮かせた稚魚用の隔離ケース(写真)。水温は28℃、比重1.023。
「コトヒキ」成魚は非常に丈夫で貪欲な魚である。では稚魚はどうかというと…大体似たようなものであった(笑) まず上記のような少々過酷?な環境でも単独でいる分には全く問題ない。エサも飼育開始から数日後には、粒タイプの配合飼料(おとひめ)を細かく砕いたものを食べだした。
ただ、これは個体差もあるかもしれないが、このサイズの稚魚は非常に憶病で、水槽に私が少しでも近づくと瞬時に物陰に隠れじっとして動かなくなる。エサをやるときもそうで、水面にパラパラとエサ(浮きひめ)を撒いてやるが、その時は物陰に隠れて全くエサを食べようとない。
しょうがないので水槽から離れ、小一時間経ってから再び水槽を確認すると、エサが綺麗に全部無くなっている(よく食べるのよ)。臆病さと狡猾さを感じる行動である。このようなことから水槽内には姿を隠せるような物(小石、貝殻、海藻など)を入れてやると良いと思う。
飼育開始から1ヵ月は隔離ケース内で飼育し、その後は自宅水槽5号(30cm虫かご)に移すことにした。さて、どのように行動が変化するだろうか。