メジナ

特徴

(写真:2018年12月下旬撮影。全長約8cm。まだ幼魚~若魚サイズのメジナ)

レア度:★★★☆☆ 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 メジナ科 メジナ属 学名:Girella punctata​ 英名:Largescale blackfish よく見られる季節:6~9月

最大で60cm以上になる。通称「グレ」と呼ばれる、釣り人が大好きなその③。テレビの釣り番組で見たことあるかもしれないが、磯でサングラスとライフジャケットを装着し長~い竿を持った「いかにも釣り人」という格好の人が狙っている魚は大体この魚(正確には「クロメジナ」や「オキナメジナ」なども含まれるが)。日本ではこの魚を釣るために、とんでもない数の釣り具が生み出され、ものすごい額のお金が使われている。

浦安では5~6月頃に境川や三番瀬の浅瀬で全長1~3cmほどの稚魚・幼魚が、群れをなして泳いでいるのをよく見かける。東京湾奥のメジナは、小さいうちは流れの緩やかな河口や干潟などで過ごし、大きくなるとテトラポットや堤防など人工物に生息場所を移すという感じなのかもしれない。浦安沿岸のテトラポッド帯でも20~30cmほどの中型のメジナが釣れるという話を聞いたことがある。

私は海に潜って野生のメジナを何度も見てきたが、性格は貪欲だが警戒心が高く、臆病な一面も持つ魚という印象。水中ではいつも人間と一定の距離を保ち、こちらが何か動きを見せるとすぐに逃げていく。

食性は雑食性で、小型の甲殻類やゴカイ類、冬には海藻類を好んで食べるようだ。産卵期は2~6月頃らしい。

(2020年6月)

2021年1月上旬撮影。全長約10cm。上の写真のメジナ幼魚が成長したもの。マーレ水槽では手狭になってきたので、市役所水槽に引越しさせた。落ち着いた状態だと体色が少し白っぽくなることが多い

採集する

(写真:2017年6月上旬採集。全長約3cm。「メジナの幼魚」

素早い魚なのでタモ網での採集はなかなか難しい。6月頃に浅瀬を泳いでいる1~3cmぐらいのサイズの稚魚・幼魚なら比較的捕まえ易い。あとは海藻の中などに隠れている場合もあるので、海藻ごと網ですくってみると捕れることもある。

ある程度大きくなったメジナは警戒心が高く泳ぎも速いので釣りでの採集が第一候補か。地方の漁港などではサビキ釣りをすると小さなメジナ(小さいので「木っ端グレ」という)が嫌というほど釣れるが、浦安周辺ではアオイソメやオキアミをエサにしたウキ釣りやヘチ釣りなどで根気よく狙う必要がある。

飼育する

(写真:2019年5月中旬採集。全長約1.5cm。「メジナの稚魚」と思われる。目盛りは1cm)

環境の変化に強く、配合飼料もよく食べるので飼育は簡単。他の魚を押しのけて、バクバクエサを食うので成長も速い(そのせいでエサにありつけない魚が出ることもしばしば)。貪欲できつい性格の魚だが、人影が見えるとすぐ石の間に隠れるなど臆病な一面もある。

メジナには「イジメ」という特徴がある。メジナは1匹で飼うと我が物顔で他の魚を攻撃し、何匹かで飼うと仲間はずれのメジナを作ってみんなでそいつをイジメて、最悪殺してしまうことがよく起こる。しかし海の中では数匹~数十匹が群れをなして仲良く泳いでおり、水槽という閉鎖空間に入れると、先に書いたイジメが発生する。これは何か人間社会に通じるところがあるのかもしれない。そのことについて言及した「さかなクン」の記事をぜひ読んでみてほしい。

しかし現在三番瀬水槽ではメジナを2年前から5匹飼っているが、多少のケンカはあるものの深刻なイジメもなく仲良く?やっている…謎だ。