マアナゴ

特徴

(写真:2023年6月上旬、三番瀬で採集。全長約11cm。サイズ的に2022年末~2023年初めに卵から産まれ、その後東京湾奥へ来遊してきた個体だろう。食べるには物足りない大きさだが、しっかりとアナゴの姿をしている)

レア度:★★★★★★★★★★ 脊索動物門 条鰭綱 ウナギ目 アナゴ科 学名:Ophichthus altipennis 英名:Conger-eel よく見られる季節:?

浦安での生物採集を始めて9年目。とうとう…とうとう…このページを作成する日がやってきた(まぁ採集したのは私じゃないんだが笑。最近そんなのばっかだ)。

ネット上では浦安の(岸からの)釣りものとして、「アナゴ」が紹介されているのをよく見かけるが、私はこの9年間その姿を見たり、誰かが釣ったという話を一度も聞いたことがなかったのだ。

写真のマアナゴは、2023年6月4日に「浦安市三番瀬環境観察館」で行われた干潟観察会にて、スタッフさんか参加者のどなたが採集してくれた(ありがとう!!)。採集時の様子は詳しく聞いていないが、観察会は時間的制約から観察館正面の岸近くで行われたので、その辺りで採集されたのだろう。

ちなみに同年4月下旬に同様の場所で行われた干潟観察会では、マアナゴかは確証がないが、全長10cmほどのレプトケファルス~稚アナゴぐらいの成長段階の魚を採集している(下の写真参照)。

マアナゴは2~4月頃に東京湾に来遊し、稚魚に変態して干潟近くの浅瀬に着底し、その年の夏~秋には20cm程度に成長するそうだ。またこの小型のアナゴは「メソ」と呼ばれる。

マアナゴの形態や生態については環境省運営の『せとうちねっと』の『マアナゴ』のページの解説が非常に詳細かつ分かりやすかったのでそちらを参照されたし(下にリンクを貼っておきます)。

『マアナゴ(せとうちねっと)』https://www.env.go.jp/water/heisa/heisa_net/setouchiNet/seto/setonaikai/clm8.html

(2023年6月)

(2024年4月)

下アゴより上アゴの方が前方へ出る。眼は大きく良く目立つ
胸びれの後端と背びれの前端はほぼ同じ位置。体色は背面から体側にかけてが暗褐色、灰褐色などの暗めの色で、腹面はシャンパンゴールドといった感じか。また体側には側線に被るようにして白点が並ぶ
臀びれ前端が見えるだろうか(画面中央左)。この個体は体側の白点線に沿って、不規則に大き目の黒点が並んでいる
背びれ、尾びれ、臀びれは繋がって一体となっており、ひれの縁辺は黒くなっている
尾びれ先端は鈍く尖る
真上から撮影。全長約11cm

頭部を拡大。まだサイズが小さいので頭蓋やエラが透けて見える

体の前半部を拡大
体の中間部を拡大
体の後半部を拡大
体の後端部を拡大
2023年4月下旬に三番瀬で採集された、全長10cmほどのレプトケファルス~稚アナゴぐらいの成長段階の魚。マアナゴなのかは不明

飼育する

(写真:自宅水槽5号にて、エアストーンの下に隠れるマアナゴ)

まだ2週間ほどしか経っていないので何とも言えないが、飼育記録を残してみる。

水温は20~25℃は問題ない。当たり前か。比重は1023。砂泥地に穴を掘って身を隠しながら生活しているとのことなので、底砂とアナゴが隠れられる障害物は設置した方が良いと思う。

水槽の広さや環境によるだろうが、基本的には下の写真のように何かに隠れており、部屋が暗くなるとやや活発に動くようだ。

エサはクリル(乾燥エビ)と「アサリ」の身を食べるのは確認した。ただ暗くならないと食べなかったり、エサを食うのがあまり速くないため。動きの素早い混泳生物がいるとエサを奪われそうだ。

砂はもうちょっと細かい方が居心地が良さそうね
投げ込みフィルターの下から顔を出すマアナゴ。やっぱ水族館で見るようなパイプで作ったの巣穴が良さそうだなぁ