ハオコゼ

特徴

(写真:2020年9月中旬採集。全長約3cm。これはまだ子供サイズでハオコゼの特徴である背ビレの棘(きょく)も短い。私の知る限り浦安の浅瀬では滅多に見かけない。目盛りは5mm)

レア度:★★★★★ 脊索動物門 条鰭綱 カサゴ目 ハオコゼ科 ハオコゼ属 学名:Hypodytes rubripinnis 英名:Redfin velvetfish よく見られる季節:?

最大で10cmほどになる。2020年9月中旬、東京湾奥で軽微な「青潮」が発生していたある日、浦安市内河川の河口付近で偶然採集。

地方の浅い岩礁域や「アマモ場」ではよく見られる魚だが、私が浦安でハオコゼを発見したのはこれが初めてだった。もしかしたら「青潮」から逃れるために、普段人が近づかない場所から河口の浅瀬に逃げてきたのだろうか?

頭が大きく、体は短い寸づまりな体型をしている。背びれが頭の真上から、鳥の鶏冠(とさか)のように発達し、それが尾びれの付け根まで続いている。また体に対して大きな胸びれを持ち、これを足のように動かして海底をのそのそと動くこともある(もちろん泳ぐこともできる)。

体色は赤褐色のものが多い印象だが、個体によって色や模様は異なるらしい。私が捕まえた個体は頭部全面が白く体は赤褐色で、尾びれの前半部が白くなっていた。また体にはウロコがほとんどないそうだ。

擬態能力が非常に高く、周りの環境に合わせてすぐに体の色を変えることができる。色の変化の幅も広く、赤黒い姿をしていると思えば、ちょっと目を離した隙に下の写真のようにクリーム色になっていたりする(下の写真参照)。

「オコゼ」の名前が示すよう、背びれに毒針を持ち、刺されるとジンジンとした強い痛みが長く続く。私は学生時代に友人からハオコゼを投げられ、うっかり素手でキャッチしてしまい刺された経験がある(この時は本気で怒った笑)。刺された場合はまず傷口から毒を搾り出し、ヤケドしない程度の熱いお湯で患部を温めると毒が不活化され痛みが和らぐ。症状がひどい場合にはなるべく早く病院に行こう。

食性は小型の甲殻類などを食べるようで、産卵期は6~8月頃。ちなみに夜行性らしい

私は食べたことはないが、煮付けや唐揚げにして食べることもできるそうだ。

(2020年9月)

ハオコゼを正面から撮影。この個体は頭部全面が白くなっており、遠目でもよく目立つ。目盛りは5mm
鳥の鶏冠(とさか)のような背びれが、頭の上から尾びれの付け根まで続く。背びれの棘(きょく)には毒があり、刺されると強く痛む。目盛りは5mm
上の写真と同じ個体。体色をクリーム色に変化させている。擬態能力が高い
体色は変化させられても、頭部全面の白い部分はそのままだった
2021年5月上旬撮影。全長約7㎝。飼育開始から7か月後、全長は採集してきたときの倍以上に。飼育期間の後半はこのような体色でいることがほとんどだった。これがベースカラーなのか? 目盛りは5mm
2021年5月上旬撮影。全長約7㎝。飼育開始から7か月後。ハオコゼの特徴である、毒を持った背ビレの棘(きょく)も立派に育った

飼育する

(写真:底砂に埋もれるようにして隠れている?休んでいる?ハオコゼ。全長約4cm。調子が悪いわけでなく、ときどきこのような行動をする)

自宅を飼育で開始して3ヶ月が経過したので(2020年12月現在)、これまでの歩みをまとめてみる。

まず水温だが25~18℃の範囲で調子を崩すことはなく、また水の汚れにも強い部類に入ると思う。

夜行性という情報があるが、どうやらそのようで、明るいうちは物影や石の下などでじっとしてほとんど動かない。温厚な?性格なのか、他の生物を攻撃したり追い払ったりするということもほぼ無い(今のところ)。

エサは飼育を開始してから割とすぐに、粒タイプの配合飼料(おとひめ EP2)を口にしたが、エサが硬いためか、しばらくオェオェしてから吐き出すので、仕方なくまずは生きたゴカイのミンチを与えることに(クリルや釜揚げ桜えびは食べなかった)。やはり生きたゴカイには速攻で食いつく。

その後は、冷凍保存してあった塩漬けアオイソメのミンチを与え、ときどき細かく砕いた配合飼料をそのミンチに混ぜたりした。そうして1ヶ月ほど経過した頃ようやく、しっかりと水でふやかした配合飼料なら吐き出さずに飲み込むようになった。そして2ヶ月後には、完全に配合飼料に餌付いた(ただ配合飼料は水でふやかす必要がある)。

またエサやりには少しコツがあって、ピンセットにつまんだエサをハオコゼの頭の少し斜め上にフワッと落としてやると、パクッと食いつく。ただ底に落ちたエサは見えていないのか興味がないのか食べてくれない。私的にはもっと積極的にエサを追って欲しいのだが甘やかしすぎたか…。いずれは「三番瀬水槽」に連れて行くつもりだが、この調子だと「三番瀬水槽」デビューはまだまだ先になりそうだ。

(追記:2021年4月28日)2020年9月に飼育を開始してから7ヵ月。もうそんなに経ったか!!とこれを書きながら思う。捕まえた時は全長約3㎝ほどだったが、現在は7㎝ほどまで成長し、毒のある背びれの棘(きょく)の長さも2倍ほどになり、ずいぶんとハオコゼらしい姿になった。

まぁ行動は相変わらずで、基本的には物陰で動かず、エサもピンセットで鼻先に落としてやらないと積極的には食べない(甘やかしすぎたか…)。ただ最近どうも同じ水槽内の小型のエビや、「エビジャコの一種」を食っているようなのだ。潮時か…。というわけで、うちのハオコゼ君を「三番瀬水槽(マーレ水槽)」へ移動することに決定!! 大人しく、水の汚れにも強く、動きも面白いナイスな奴だったので、少し寂しい気持ちもある。

入居先の三番瀬水槽(マーレ水槽)ウチの水槽の10倍近い容積があるので、そのまま入れると隠れてしまって、一般の人に見つけてもらえないという事態が予想される。そのため少し大きめの隔離水槽を作成して、その中で展示することにした。みんな見つけてくれるだろうか…?