スネナガイソガニ

特徴

(写真:2021年3月下旬、三番瀬で採集。甲羅の幅約1cm。メスのスネナガイソガニ。同じ場所で見つかる他のカニたちに比べると華奢な印象を受ける。目盛りは5mm)

レア度:? 節足動物門 軟甲綱 十脚目 モクズガニ科 学名:Hemigrapsus longitarsis 英名:? よく見られる季節:?

甲羅の幅が1.5cmほどまで成長する小型のカニ。2021年3月下旬に「浦安市三番瀬環境観察館」の生物調査に同行させてもらった際、三番瀬で偶然発見した。岸近くの岩場で石をひっくり返しながら生物を探していると、何となくいつものヤツら(「イソガニ」「タカノケフサイソガニ」など)と違った雰囲気のカニを発見。

気になったのでとりあえず捕獲し、自宅でしばらく飼いながら様子を見ていたのだが、私には種類を同定することができなかったので、底生動物に非常に詳しい観察館のスタッフさんに見てもらったところ、スネナガイソガニということが判明した。ちなみに本種はアマモ場などで多く見られるカニらしい。

私の採集した個体(メス個体)は体全体が赤茶色~茶色をしていたが、ネットで他の個体の写真を見ると、薄い緑色ベースに白や黒色、褐色の模様が入ったタイプのものもいるようだ。また脚には「イソガニ」に見られるような、白っぽいまだら模様も確認できた(下の写真参照)。

スタッフさんの話によれば、より詳細な同定をおこなう場合は、脚の関節部にある突起の数を数えるというようなことを言っていたが、私にはよく分からなかったので割愛させてもらう(すみません…)。

甲羅はやや丸みを帯びた正方形に近い四角形で、この形状が三番瀬でよく見る他のカニたちとは違った雰囲気を感じさせる。甲羅の両サイドにはよく見ると切れ込みが2つずつ入っている。

また水中に入れて観察するとよくわかるが、甲羅の表面には短い毛が生えている。腹側は白色~灰色をしていた(下の写真参照)。

同年4月上旬に同じ場所で、甲羅の幅が5mm程度の小さなオス個体も採集することができた(下の写真参照)。こちらはまだ成長しきっていないためか、体色は薄い褐色の半透明で、甲羅には黒いまだら模様が見られた。

(2021年4月)

メスのスネナガイソガニ。水に入れて真上から撮影。水中に入れて観察するとよく分かるが、甲羅の表面と脚に短い毛が生えている
甲羅はやや丸みを帯びた、正方形に近い四角形で、この形状が三番瀬でよく見る他のカニたちとは違った雰囲気を感じさせる

メスのハサミは細く小さい。この個体はハサミの先端が白っぽくなっている

脚には「イソガニ」に見られるような、白っぽいまだら模様も確認できた
メスのスネナガイソガニの腹側。腹側は白~灰色で、「ふんどし」は幅広の半月状をしている
こちらは2021年4月上旬に三番瀬で採集したオスのスネナガイソガニ。甲羅の幅約5mm。「ふんどし」の形がやや特徴的で、〇ンドームのような形である
メスと比べると、ゴツくて大きなハサミを持つようだ
まだ成長しきっていないためか体色は半透明で、甲羅には黒いまだら模様が見られた