シマハマツボ

特徴

(写真:2020年3月中旬、河口付近で採集。貝殻の長さ約8.5mm。生きた状態で撮影。貝殻の表面にはあみだくじ様の模様が入る。目盛りは0.5mm)

レア度:? 軟体動物門 腹足綱 吸腔目 ウキツボ科 学名:Alaba picta 英名:? よく見られる季節:?

2020年3月中旬に河口付近に生えていた海藻(「スナビキモク」)を採集したところ、それにくっついていた。

採集した当初は貝殻全体が藻類に覆われていたため何の種類か分からなかったが、自宅水槽1号に入れてしばらく経つと貝殻表面の汚れが取れ、貝殻の模様の様子からシマハマツボと判明した。

シマハマツボは大きくても1cmに満たない小型の巻貝で、海藻にくっついて見つかることが多いそうだ(アマモ場などでもよく見つかるとか)。

貝殻はチョココロネのような形で、殻口は楕円形でラッパのように外向きに開く。貝殻の巻き(螺層(らそう))の数は7前後。貝殻は半透明の褐色で、その表面にはあみだくじ様の筋が入ることが最大の特徴であるが、この模様が見られない個体もあるとのこと。また貝殻は薄く脆い。

軟体部を観察すると、頭部に2本の長い触角を持ち、移動する際は体(足)の部分からも細い触角のようなものが3本ほど出ている(下の写真参照)。移動スピードは体の小ささの割には速い。

採集後、自宅水槽1号で飼育したところ3~4月は産卵期にあたるのか、水槽のガラスのあちこちに白カビのような卵塊を産み付けていた(下の写真参照)。

またなかなかタフ貝なようで、特別な世話をしなくても平気だし、他の生物による攻撃で死んだりすることも今のところない(過去に水槽入れた別の微小な巻貝はすぐに死んでしまうことが多かった)。

また嬉しいことにこのシマハマツボ、水槽のガラス面についた茶色いコケを食べてくれる。まぁ小さい貝なのでそんなに掃除効率は良くないが…。ガラス面の汚れをキレイにしてくれる生物は、浦安にあまりいないので貴重な存在である。

また飼育中にシマハマツボの隠れた能力を発見した。隔離水槽の外側に張り付いていたシマハマツボを、うっかりピンセットでつついて落としてしまったのだが、体から粘液状の糸?のようなものを出して隔離水槽にぶら下がったのだ。しかもその糸をたぐり寄せるようにして元の場所まで戻ってしまった。うーんこの貝なかなかやりますな。

(2023年8月)

貝殻は半透明の褐色で、その表面にはあみだくじ様の筋が入ることが最大の特徴であるが、この模様が見られない個体もあるとのこと。また貝殻は薄く脆い
貝殻はチョココロネのような形で、殻口は楕円形でラッパのように外向きに開く。貝殻の巻き(螺層(らそう))の数は7前後
頭部に2本の長い触角を持ち、移動する際は体(足)の部分からも細い触角のようなものが3本?出ている
2020年4月中旬撮影。自宅水槽1号のガラス面のあちこちに、白カビのような卵塊を産み付けていた