ナミイソカイメン

特徴

(写真:2025年1月下旬、浦安沿岸テトラポッド帯で撮影。大きさ約15×30cm(面積)。テトラポッドの一番下の部分に付着していた。こんな大きな群体をみるのは久々な気がした)

レア度:★★★★★☆☆☆☆☆ 海綿動物門 尋常海綿綱 Suberitida イソカイメン科 学名:Halichondria panicea 英名:Breadcrumb sponge よく見られる季節:?

(同定にちょっと自信がありません。他の資料も参照してください。間違っていたら教えていただけると嬉しいです)

「ダイダイイソカイメン」と並び、日本の海岸でよく見られるカイメンの一つ。潮間帯(ちょうかんたい。潮の満ち引きにより水没と露出を繰り返す場所のこと)から水深550mまで幅広い環境に生息するカイメン。浦安では海に面した場所の岩やテトラポットに付着しているのをポツポツ見かける。

群体は白っぽかったり、薄い黄色をしていたり、黄色と緑が混じったような色など個体によって異なる。ちなみに緑がかった体色は、ナミイソカイメンに共生する藻類によるものらしい。ただ最近は薄いオレンジ色っぽいものも見かけるので、「本当にこれナミイソか?」となることも多い。

また表面には火山の噴火口のような小さな突起と穴(大孔)が見られるが、これらの突起や穴は個体によって形や数が異なることも多い。触った感触はガラス繊維が混じった硬めのスポンジのようだった。

ちなみにナミイソカイメンは「爆発した火薬のような匂いがする」と言われることがあるが、たしかに鼻を近づけて匂ってみると火薬?っぽい異様な匂いがする。

 

そもそもカイメンとは何なのか?よく聞かれるが私はいつも上手く答えられないでいる。なので以下に、『精選版 日本国語大辞典』の『カイメン』の解説文を引用させていただく。

『原生動物および中生動物を除いた後生動物中、最も下等な動物。体の基本形はつぼ状体で、下端で他物に付着する。体は柔らかく、骨片や繊維などが組み合わさってできている。

神経細胞、感覚細胞や筋肉細胞はない。体壁の表面にある多くの小孔から水がはいり、胃孔を通って体の上端の大孔から排出される。小孔と胃腔との間の襟(えり)細胞で食物を摂取する。ほとんど海産、少数が淡水産で、石灰海綿類や六放海綿類などに分けられる。』

(2020年2月)

(2024年1月)

(2025年7月)

上の写真を拡大。この群体は薄い黄色~黄色と緑が混じったようなをしていた。個人的には「これぞナミイソ!」という体色だと思っている。群体の表面には火山の噴火口のような細く短い突起と穴(大孔)が見られ、また体表には目で見るのは難しいが、小さな小孔が多数あり、そこからから水がはいり、胃孔を通って体の上端の大孔から排出されるという仕組みらしい
こちらは2020年2月下旬にテトラポッド帯で発見した群体。たぶんナミイソカイメン…だと思う
2021年3月上旬撮影。これはナミイソカイメン…かはちょっと分からない。河口の垂直護岸に付着していた。この群体は上の写真のものに比べると、青緑色が強い
この群体はカンザシゴカイ類の棲管を巻き込んで付着している(どちらが先に護岸に付着したのかは定かではないが)

こちらはトップの写真と同じ場所で発見した別の群体。全体が薄いオレンジ色をしている。これがナミイソカイメンなのかはちょっとわからない(ぽい感じだけど…)。カイメンの種をきちんと調べるには、顕微鏡でカイメンの体を構成している「骨片(こっぺん)」の形状などを見なくてはいけない