カイアシ類の一種④

特徴

(写真:2022年3月上旬、自宅水槽3号から採集。体長約0.4mm(触角と後端の肢を除いた長さ)。気が付いたら自宅水槽3号に大発生していた。この時の水温は20℃ちょいかな)

レア度:? 節足動物門 甲殻亜門 顎脚綱 カイアシ亜綱 学名:? 英名:? よく見られる季節:?

種類不明。どのくらい大きくなるかも分からない。2022年3月上旬、自宅水槽3号をボケっと眺めていた。この時期はまだ生物が少ないシーズンなので、巻貝の「アラムシロ」以外、他に生物は飼ってはおらず、ガランとした水槽。「おーそれでも茶ゴケはけっこう生えるんだな~」なんて思っていると、ある異常に気が付く。

水槽の右側面のガラス面に生えた茶ゴケが毛羽立ち、所々パッチ状に薄くなっているのだ(下の写真参照。通常は茶ゴケはガラス面に薄く、一様に付着するのだが)。「これは…誰かが食ってるな…」。すぐさま水槽の側面に回り込み、顔を近づけガン見する。

お~いるいる!! 何だか見たことあるようなプランクトンの類が、ガラス面を這い回るようにして茶ゴケを貪り食っていた。たぶんカイアシ類の何かなのだろう。…が、それ以降の同定は私には不可能である。取りあえず写真と動画で記録を撮りページを作成することにした。

個人的には「イソミジンコ」なんかに似ているなぁと思ったけど、安易な判断は危険だ。「カイアシ類」と一言で言っても、その括りの中には膨大な種群、種が含まれており、専門家が顕微鏡下で細部を観察してようやく同定可能な代物なのだ。

あ、写真をよく見ると、何だか貝のベリジャー幼生みたいな丸い生物もたくさんいる………これは見なかったことにしておこう!!(「アラムシロ」がたくさん産卵していたのでそれから産まれたものかな?)。たぶんこいつらを積極的に捕食する生物が水槽内にいないのも増えた一因かもしれない。

今回見つけたカイアシ類?の特徴については下の写真を参照してほしい(上手く説明できませんので)。

ちなみにカイアシ類(橈脚類)とは、エビやカニなどと同じ甲殻類の仲間で、専門家の間ではコペポーダ (Copepoda)と呼ばれている。海や湖沼から、水深1万メートルの深海など様々な環境に生息しており、現在までに約12000種が発見されている、地球上で最も繁栄した甲殻類だそうだ。生活スタイルも様々で、水中を漂うように暮らすプランクトン性のものや水底で生活する種類、他の生物に寄生・共生する種類もいる。

カイアシ類はほとんどは1~2mmと小さく、最も大きい種類でも1cmほど。カイアシ類は他の動物にとって非常に重要なエサ生物となっており、魚はもちろんクジラや海鳥もカイアシ類を捕食している。

(2024年1月)

チョコチョコと動いては止まる。なかなか動きは素早い。円筒形の黄褐色の物体が多数あるが、これは茶ゴケを食べた後の糞だろうか? ちなみに写真右下あたりにみられる濃い褐色の物体が茶ゴケ
拡大してみる。体はほぼ透明、体の前端には目立つ短い触角が2本ある。眼のような赤い小さな点が触角の付け根あたりに1つあり、また体の前端から1/4あたりにも2つ赤い点がある。体内をよく見ると抱卵している個体も多い。体の後端からは長く細い肢が2本伸びる。あと写真の所々にこのカイアシ類?とは違う丸い小さな生物も写っているがこれは…?
発見したときの様子。水槽の右側面のガラス面に生えた茶ゴケが毛羽立ち、所々パッチ状に薄くなっている部分がある(下の写真参照。通常はガラス面に薄く、一様に付着するのだが)
スポイトで何個体か採集し、マイクロスコープで見てみる。うーん画質が…。目盛りは0.5mm
マイクロスコープ下で、横方向から撮影することができた。なんと形容していいか分からないが、こう見ると「あぁたしかに甲殻類だな」と思う姿をしている