タテジマヨコバサミ
特徴
(写真:2025年7月中旬、河口付近で採集。貝殻の長さ約4cm。沖縄などでよく見られる南方系のヤドカリらしい。なので浦安で見られるのは珍しい…というか異常。脚にハッキリとした黒い縦ジマがある)
レア度:?(注意) 節足動物門 軟甲綱 十脚目 ヤドカリ科 学名:Clibanarius striolatus 英名:? よく見られる季節:?
(浦安で生息していたものか疑問があります。誰かが水槽で飼育していたのを逃がしたものかもしれません)
写真の個体は2025年7月中旬に河口付近で採集したもの。この日は軽度の青潮が発生しており、浅瀬の岸近くには多数の稚魚・幼魚、アミ類、「スズキ」の子やハゼ類が密集していた。こんな時は大抵変わったものが採れるものだ。
あらかた必要な生物を採集し終え、護岸の上の潮だまりを見ながら歩いていると、瓦のような形をしたコンクリート片を発見。それをひっくり返すと、隠れていたカニやダボハゼたちが一斉に逃げる。
その様子をじっと眺めていると、何やら変わった形状の貝殻に入っている少し大き目のヤドカリを発見。貝殻は「マガキガイ」やイモガイ系の見た目だ。ヤドカリの体は暗い緑色で、ハサミは左右同じ大きさでトゲ状のコブが多数ある。…「コブヨコバサミ」の色違いだろうか? 気になったので持ち帰って観察してみることにした。
水槽に入れて眺めてみる。コブヨコにしては華奢な印象だなぁ。採集で疲れ果てていたので、ベントスに詳しい知人に写真を送って聞いてみた。
「これはすごいものを採りましたねぇ!これはタテジマヨコバサミですよ!!」
のお言葉を頂く(ありがとうございますありがとうございます!!)。
調べてみると、沖縄では普通種で、高知や和歌山でわずかに見られる南方系のヤドカリみたいだ。ってことはこの辺で見つけたのは大発見では!? やはり海水温の上昇によるものか!? などと息巻いているいると、先の詳しい知人から
「これ入っている貝殻が「マガキガイ」かイモガイ類に見えます。だとするとこの辺りには生息していない貝なので、誰かが飼育していたのを放棄した個体かもしれません」
た、たしかに!! 後に貝殻をよく見てみるとどうやら「マガキガイ」っぽい(下の写真)。さらに「マガキガイ」もタテジマヨコバサミもペットショップで扱われている種である。
真相は謎だが、人為的に移動されたものの可能性が高そうだ。先に書いたように、これがペットショップで購入され放棄された個体ならば、生物の出現や分布を調査している人達にとっては非常に迷惑な存在だろう。幸いなことに浦安ではタテジマヨコバサミは越冬できずに死んでしまうことが予想されるが…
新しい生物を発見するといつもは嬉しいものだが、今回は色々なことを考えさせられる1匹であった。
私の部屋で冬を越せるか試しに飼育してみるか~
(2025年7月)
