ホンヤドカリ
特徴
(写真:2022年10月上旬撮影。約2cm(貝殻の大きさ)。「浦安市三番瀬環境観察館」の水槽で飼われていたもの。私はまだホンヤドカリを浦安で発見したことがない)
レア度:? 節足動物門 軟甲綱 十脚目 ホンヤドカリ科 学名:Pagurus filholi 英名:? よく見られる季節:?
写真は「浦安市三番瀬環境観察館」の水槽で飼育されていた個体で、かなり前からこの水槽にいる気がする(誰が捕まえたのだろう?)。ちなみに私は今のところ浦安でホンヤドカリを見つけたことはない。
ホンヤドカリは日本全国の外洋に面した岩礁域の満潮線付近に多く生息しているらしい。ということは浦安三番瀬のなかでも南東の敷石やテトラポッドが密集する地帯あたりで見つかったのだろうか?
三番瀬を含む浦安沿岸には同じホンヤドカリ科の「ユビナガホンヤドカリ」が大量に生息しているため、小型のヤドカリを見つけても、「あ、ユビナガね」とついスルーしてしまう。きちんと探せばもっと見つかるかもしれない。
本種の特徴と「ユビナガホンヤドカリ」との見分けについては、『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』の『ホンヤドカリ』の解説を以下に引用させていただく。
『節足動物門 甲殻綱 十脚(じっきゃく)目 ホンヤドカリ科に属する海産動物。日本全土と朝鮮半島の外洋性岩礁海岸にごく普通に生息する。満潮線付近に多く、干潮のときには石の下などに集まっている。20種以上の巻き貝を利用している。
甲長1センチメートルほどの小形種で、濃い灰緑色のじみな色であるが、歩脚の先端部の白色がよく目だつ。はさみ脚(あし)は右側のものが大きい。左右とも毛はないが、とがった小さな顆粒(かりゅう)で覆われている。腹肢は雄では3本、雌では4本。
抱卵期は11月から翌年3月。アメリカ太平洋岸のP. samuelisとは別種。各地の内湾の干潟には近縁のユビナガホンヤドカリP. dubiusが多い。この種は歩脚の指節が前節よりも明らかに長いので、ホンヤドカリとは容易に区別がつく。[武田正倫]』
(2023年7月)