特徴

（写真：2020年7月下旬採集。全長約8cm。コチの一種であるイネゴチの幼魚。「マゴチ」と比べると目が大きく顔が細長い。体のシマ模様が特徴的）

レア度：★★★★★　脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 コチ科 イネゴチ属　学名：Cociella crocodila​　英名：Spotted flathead　よく見られる季節：？（過去に発見したのはいずれも夏季）

（同定にちょっと自信がありません。他の資料も参照してください。間違っていたら教えていただけると嬉しいです）

最大で50cmほどになる。写真の魚はイネゴチの幼魚。イネゴチの成魚と幼魚は形態は似るものの、体色や模様が異なる場合が多い。私は今までにイネゴチの幼魚を二度しか発見したことがなく（二度とも三番瀬で）、「マゴチの幼魚」と比べるとかなり少ない印象。

写真のイネゴチの幼魚は、2020年7月下旬に三番瀬で行われた「浦安三番瀬を大切にする会」会員向けの「三番瀬生物観察研修会（仮）」で、採集初体験のH氏が採集したもの。このH氏、初採集にも関わらず他に「ヨウジウオ」や「マゴチの幼魚」などもゲットしており採集センスが素晴らしい。「こんな近くにこれだけ生き物がいてすごい！！鉄腕ダッシュみたいですね！！」と言っていたのが印象的だった。

コチ科の代表選手である「マゴチ」に比べると眼が大きく、口も前に伸びた形状をしており頭部はワニのような印象。体色は頭部は白が強い褐色で、胴の前半および第1背びれは黒く、胴の後半から尾部にかけては白褐色と黒のシマ模様になっている。また胸びれも広範囲が白くなっており、これは他のコチ類と見分けるポイントの1つとなるらしい。

ちゃんと分類するには眼の下の骨にある棘の数や、眼の上部にある膜（虹彩皮膜）の模様や形を見なくてはいけないが、それを観察すると殺してしまいそうなので、今回はゆるい同定になってしまった（他の資料も参照してもらえると助かります）。

（2020年8月）

採集する

（写真：2019年7月撮影。三番瀬の水深約1mの場所で発見。白い頭部が水中でもよく目立つ。何なのか分からないが、頭を上げては下げる動作を繰り返していた）

過去に発見したのは二度だけなので（どちらも三番瀬で。季節は初夏～夏）、狙って採集するのは難しいかもしれない。釣りでも釣れたことがない。

一番上の写真のイネゴチは海底をタモ網で引きずるようにしたら捕れたそうなので、障害物の近くや海底に変化がある場所を狙って、根気よく網を引きずれば捕れるかもしれない。

飼育する

（写真：正面から見たイネゴチの幼魚。眼が光を反射して美しいコバルトブルーに輝いている）

まだ飼育を開始して2週間ほどなので（2020年8月初旬）詳しいことは分からないが、気性はおとなしく、水質の悪化にも弱い方だと思う。またこれは個体差かもしれないが、餌付きも非常に悪い。この状態が続くようなら、海へ返そうと思案中である。