アミモンガラ(幼魚)

特徴

(写真:2025年7月下旬、河口付近で採集(採集したの私ではない)。全長約3.5cm。普段浦安の岸近くで見る魚ではない(と思う)が、台風により流れ藻と一緒に流されてきたのだろう。体色が状況に応じてあっという間に変化する(青黒色、ベージュ、薄い白紫色の3パターンを確認))

レア度:★★★★★★★★★★(注意) 脊索動物門 条鰭綱 フグ目 モンガラカワハギ科 学名:Canthidermis maculata 英名:Rough triggerfish よく見られる季節:?

最大で全長50cmを超える。浦安の岸近くで見たのはこれが初。「モンガラ(カワハギ)」と聞くと何となく南の海をイメージしてしまうが、本種は北海道の小樽以南の各地で見られるとのこと。成魚はまた珍妙な姿をしており、幼魚とは似ていないなと思う。

 

さて写真のアミモンガラの幼魚が採集されたのは2025年7月下旬、台風接近による強烈な北東の風に加えて、東京湾奥で重度な青潮が発生していた日だった。大体こういうときは、普段浦安では見られない珍しい生物たちがどこからか流されてくる。

アミモンガラの幼魚は流れ藻(海面を漂う海藻などの塊)に寄り添うようにして生活するそうだが、今回の台風によって浦安の岸近く流されて来てしまったのだろうか?(それとも普段もその辺にいるのか?)。

色々迷ったが持ち帰り飼育することに決定。あわよくば三番瀬水槽で展示との目論見である。この時採集した魚類の中では一番タフそうだったので楽観視していた。

 

その形態と飼育については下に続く。

(2025年9月)

こちらは採集直後の姿。せわしなくヒレを動かし落ち着きが全くない。この体色は薄いベージュといったところ。体側には小さな小白点が散らばる。体色が変化しても小白点の位置は変わらないようだ。また頭部頂上の後方にはカワハギ類お馴染みの1本棘があるが、この写真では折りたたまれている

こちらは水槽に放してしばらく後の様子。先ほどのの写真と比べてやや体色が褐色っぽくなっている

正面から撮影。眼の上の骨が張り出しており、ちょっと凛々しく見える。動き回るうえ、カメラを向けると逃げるので写真が非常に撮りづらい
こちらは体色が薄い白紫色になった時の様子。どういう時にこの体色になるかは定かではないが、何かに怯えたり、水質が悪くなって苦しいときにこのような体色になっていた(すまん…)
同じく白紫色の時の様子。このときは普通に元気そうだったんだけどね
飼育開始から2週間後、水質管理をミスったせいで死んでしまった…。私にも慣れてその愛くるしい姿に癒されていた頃だったのだが…。エサは多めにあげていたつもりだったのだが痩せてしまっている…。目盛りは1cm
頭部を拡大。こんな体色をしたアミモンガラの成魚の写真をよく見るが、幼魚もこの色と模様がベーシックなのだろうか?
体の後半部を拡大。各ヒレはしっかりとした質感。胸ビレは小さく半透明で分かりづらい。腹の下には痕跡的なトゲ状の腹びれが確認できる
体表を拡大して見てみる。皮は硬く突起が多数あるため、触るとザラザラとしている
頭頂部の後方にある棘を立ててみた
胸びれを拡大
背びれを拡大
尾びれを拡大
尻びれを拡大
口と歯を拡大。モンガラカワハギの仲間だけあって強力そうな歯を備えている。大きくなるとその威力もすごいのだろう

飼育する

(写真:水面に浮いたエサを食べに行こうとするアミモンガラの幼魚)

私は2週間で殺してしまったが、観察した感じや他の方の情報を見ると、このサイズ以上のアミモンガラ幼魚はタフで飼育し易い魚のようだ。しかし歯が強いので他生物との混泳には注意が必要とのことだった。

 

私の飼育環境だが水槽は30cm虫かご水槽(自宅水槽5号)、水温は27℃、比重1.023、混泳生物は1.5cm程度の「シマイサキの幼魚」のみ。水温の高さがちと気になったが、取りあえず問題はないようだった。おそらくもっと低い方が居心地が良く、痩せにくかったのではと思われる。

 

水槽に入れた当初は私のことを恐れ、逃げるようにして水槽中をせわしなく泳ぎ回る。

…数日経っても明るい時間帯はほぼ常に泳ぎ回っている(私が寝ているときは知らないが)。もしかすると流れ藻的なものを水面に浮かべてやれば行動はまた違ったかもしれない。

 

エサは採集してから3日ぐらいしてから食べだした。まずは冷凍ブラインシュリンプ→余裕で食べる、砕いてふやかしたクリル→OK。そして最終的に粒径1~2mmほどの配合飼料(水中を舞う時間が長いタイプ「浮姫」)で固定。

食欲旺盛なのだが、口が小さいのでしっかりと飲み込めるサイズのエサを与えるのと、食い溜めしづらい体型(体が薄く皮が伸びない)なので毎回満腹まで食わしてやることが大切と感じた。

 

 

あとは水の汚れに気を付けてやれば大丈夫かな~と楽観視していたが、ある日事件が起きてしまった。

 

「水が白濁してトロっとしている!!!!」

 

海水の白濁は水槽のろ過能力に対して水の汚れがオーバーしている場合よく見られる現象だ。だがこの水槽でここ数年は発生していなかった。

今回はそれに加え水にトロみがついて、細かな半透明のゼリー状の物体が多数漂っている。これは何だ!? この物体の出所を探る。

どうやら網袋に入れて水槽の上から吊るしていた投げ込みフィルターに、稼働させている別の投げ込みフィルターから出たエアが当たり、そのエアが当たった部分から透明のゼリー状の物体が発生しているようだ。

水槽の空間を増やすために吊るしてみたのだが、裏目に出てしまった。たしかに水流が強く当たる場所にはワケの分からん藻類が発生したりするよな…

 

アミモンガラの様子とはいうと、底付近で体色を白紫色になって動かない。明らかに弱っている。ちなみに「シマイサキの幼魚」は平気のようだ(どんだけタフなんだ…)。

すぐに2匹を取り出し、新鮮な海水を入れた容器に移す。口とエラは必死に動かしているものの、体は横向きに倒れその場から動けない。

ときどき換水して数時間様子をみるが改善されない。ダメ元で小さな保冷材を入れて水温を2~3℃下げてみる。少し持ち直したように見えた。

 

その間水槽の水換え & 底砂、フィルターの清掃を行うことに。しかし細かくなったゼリー状の物体は底砂、フィルター内部、水槽内のあらゆる場所に付着してしている。…これは水槽リセットの必要がある。

 

水槽のリセット作業をしつつ、アミモンガラの様子を見守るが改善はない。そして夜になっても改善しない。これは明日まで持たないかもしれないな…

決断をしなくてはいけない。自分の行動を深く反省する。

息絶えたアミモンガラは体色がスーッと青黒色に小白点が散らばるものに変化した。