ニクハゼ
特徴
(写真:2017年6月下旬、浦安市内河川の中流域で採集。全長約5cm。ハゼの仲間では珍しく、中層を群れで泳ぐ。個人的にあまりハゼっぽくない見た目だなと思う)
レア度:★★★★☆ 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 ハゼ科 学名:Chaenogobius heptacanthus 英名:? よく見られる季節:初夏?
(同定にちょっと自信がありません。他の資料も参照してください。間違っていたら教えていただけると嬉しいです)
全長7cmほどまで大きくなる。内湾の「アマモ」やアオサ類が繁茂した場所や転石帯、河口域など生息するハゼの仲間で、東京湾では湾奥~湾央の干潟域、人口護岸近く、アマモ場などで見られるそうだ。ハゼの仲間では珍しく中層を群れで泳ぐ(ハゼの仲間は海底で暮らすものが多い)。
写真のニクハゼは2017年6月下旬に浦安市内河川の中流域で、雨水排出用?の暗渠の入り口で採集したもの。ニクハゼを見たのはその時が初で、パラつく雨のなか数十匹のニクハゼが水中で静止するように群れていたのが印象的だった。ちなみにそれを最後に現在(2024年4月)までニクハゼは採集できていない。
ニクハゼの特徴としては、口が大きく、口の後端が眼の後端をはるかに超えることが挙げられる。ニクハゼが含まれるウキゴリ属は姿の似たような魚がおおく、私はいつも見分けるのに苦労する。
ニクハゼという名前の由来だが、体長2cmぐらいまでのニクハゼの稚魚が肉のように赤みの強いピンク色をしていることから「肉ハゼ」の名前が付いたという説がある。
小さいうちは主にプランクトンを食べ、大きくなるとそれに加えて小型の底生動物や魚の仔魚(しぎょ。生まれたばかりの魚)も食べるようになるそうだ。
(2020年1月)
(2024年4月)
採集する
(写真:上の写真の個体と同時に採集した別個体。全長約5cm)
1回しか採集したことがないので確かなことは言えないが、群れでじっとしており人間が近づいてもそんなに逃げないため、そっと忍び寄り上から一気にタモ網を被せるとたくさん採集することができた。
ただ体に外傷や衝撃が加わるとすぐ弱ってしまうので、飼育前提の場合は採集方法を工夫した方が良いと思う。
飼育する
中層を群れで泳ぐ魚なので、水槽に入れるととても映える。比較的すぐに配合飼料(フレークタイプ)も食べるようになったので、このまま順調に飼育できるかと思ったが、しばらくすると1匹、2匹と死んでいってしまった。中にはスジエビ類に捕らえられ食われてしまうものも…。
ニクハゼは虚弱…というか気の弱い魚であり混泳にはあまり向かないのかもしれない。想像になるが気の強い混泳生物に攻撃を受け、そのストレスで弱っていったのではないだろうか。また三番瀬水槽は比重が海水(1.023)であり、硝酸塩濃度も劇高なので、そのあたりがニクハゼに合わなかった可能性もある。