マサバ

特徴

(写真:2018年9月中旬採集。全長約20cm。夕暮れ時「スズキ」狙いのウキ釣りをしていたら釣れた。その時のエサはアオイソメ)

レア度:★★★★☆ 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 サバ科 サバ属 学名:Scomber japonicus 英名:Chub mackerel よく見られる季節:9~11月

最大で50cmほどになる。イワシやアジと並ぶ代表的な青魚の1つ。「焼き魚と言えばサバ」というぐらい私たちに馴染み深い魚。「ゴマサバ」に非常によく似るが、マサバの方がややスマートな体型(断面は楕円形っぽい)なのに対し、ゴマサバは丸みを帯びたマッチョな体型で(断面は円形に近い)、またゴマサバの腹部には黒い斑点模様があるといった特徴から見分けることができる。

サバというと味噌煮や焼魚など火を通した料理をイメージするが、最近では冷蔵・冷凍技術、運搬技術の発達によりマサバの刺身を食べられる機会も増えてきた。ちなみにブランドサバとして知られる、「関サバ」、「金華サバ」、「松輪サバ」は全てマサバ。また同じサイズや脂の乗りならばゴマサバよりマサバの方が高値で取引されるらしい。

いつも浦安沿岸にいる魚ではなく、年や季節によって小規模な群れが回遊してくるようだ。ちなみに写真のマサバは2018年9月中旬に「スズキ」狙いのウキ釣りをしていたら偶然釣れたもの(エサはアオイソメ)。

食性は肉食性で、幼魚期は動物プランクトンや他の魚の稚魚を、大きくなると「カタクチイワシ」などの魚やオキアミなどの甲殻類、サルパ(水中を漂うクラゲのようなホヤのなかま)、小型のイカなどを食べる。そのような食性からルアーでもよく釣れる。

繁殖期は2~8月頃で南に行くほど早いようだ。約10万~150万個と大量の卵を産むが、そのほとんどは他の生物に捕食されてしまう。

(2020年1月)

採集する

泳ぎが速い魚なのでタモ網での採集は難しい(数cmの幼魚ならいけるかもしれないが)。基本的には釣りでの採集になると思う。様々な釣り方で釣れるが、サビキ釣りで狙うのが一般的だろう。サバ類はあまり頭の良くないのか、エサがあればすぐにパクッと食いつく印象がある。

サビキ釣りで食いが悪いときは、コマセ(撒きエサ)をガンガン撒いて魚を寄せる、仕掛けを上下に動かして誘いを掛ける、サビキの色を変える、集魚板を付ける、仕掛けを細くするなど色々試してみる。また岸壁より少し沖を泳いでいることも多いので、投げサビキで少し遠くを狙ってみるのもいい。

もしサビキで小さめの「カタクチイワシ」が釣れたら、それをエサにすると大きなサバが釣れることもある。またサバ類は泳ぐ力が強いので、魚が小さくても油断してはいけない。某釣り公園で、置きっぱなしにしていた竿をマサバに海へ持っていかれた人を何人も見たことがある。

浦安でサバ類を釣る場合は回遊待ちや、沖の方を泳いでいるサバを拾い釣る感じになると思うので、ジグサビキ(サビキの下にメタルジグというルアーを付けた仕掛け)などで、広い範囲を手返しよく探っていくのが良いと思う。

食べる

(写真:釣ったマサバの塩焼き)

大型で脂の乗ったマサバの刺身は最高に美味いらしいが、私はまだ食べたことがない。「サバの生き腐れ」という言葉があるように、サバ類は鮮度が落ちるのが非常に速く、またサバ類は体内にヒスチジンという物質を多く含んでおり、魚が死ぬとこのヒスチジンがヒスタミンに変化し、それを多く摂取してしまうとヒスタミン中毒になる。ヒスタミンは熱で分解されないため、一度生成されると火を通して調理しても無駄である。なので釣ったサバ類はすぐ血抜きして、よく保冷して持ち帰ろう。冷やすことでヒスタミンの生成を遅らせることができる(釣ったサバをバケツに入れたまま放置は厳禁)。

またサバは他の魚に比べてアニサキスのリスクが高いので、釣ったらすぐ内蔵をと取り出す、捌く際はよく見て確認する、生で食べるときはよく噛むを徹底しよう(アニサキスは体に傷がつくとすぐ死ぬので)。ちなみにしめ鯖のお酢ではアニサキスは死なないらしい。どうしても心配な人は、火を通すか(70℃以上、1分以上)冷凍しよう(-20℃以下、24時間以上)。

サバを食べるリスクばかり先に書いてしまったが、これほど注意喚起がされているのはサバが「それほどまでしても食べたくなる美味い魚」ということの裏返しだと思う。その証拠に塩焼き、味噌煮、煮付け、味噌汁、フライ、しめ鯖、刺身と様々な料理法が存在し、最近ではサバ料理専門店も現れ、評判も上々のようだ。ちなみに私が浦安で釣ったマサバの料理で一番美味しいと思ったのは干物。マサバが釣れる時期は気温が高いので、冷蔵庫干しにするのがオススメ。