ヒメベンケイガニ

特徴

(写真:2024年月7月下旬、何と室内で採集(何故か「浦安市三番瀬環境観察館」の1Fの床にポツんといた)。甲羅の幅約7mm。これでも最大級サイズの雄個体。全身が毛で覆われている)

レア度:?(レアだと思う) 節足動物門 軟甲綱 十脚目 ベンケイガニ科 学名:Nanosesarma minutum 英名:? よく見られる季節:?

最大で甲羅の幅が7mmほどになる小型のカニ。

写真のヒメベンケイガニは2024年7月下旬に「浦安市三番瀬環境観察館」の1Fの床に、何故かポツンといたのを採集したもの。このときの浦安は連日最高気温が35℃に達するという過去類を見ない酷暑に見舞われていた。もしかしてこのヒメベンケイガニ君もあまりに暑くて室内に避難してきたのか(んなワケないか)。

ちなみに第一発見者は「浦安市三番瀬環境観察館」のスタッフさん。私がソファで休んでいると、「あれ?こんなとこにカニがいる!!これカニですよね?」というスタッフさんの声が聞こえる。

小さなカニのようだったので「展示に使った「イソガニ」「タカノケフサイソガニ」を海に返し忘れたのかな?」と思い、そのスタッフさんに「水槽に入れておけば良いですよ。そのサイズなら他の生物に悪さもしないでしょうし」と声を掛けた。しかし何かが引っ掛かり一応そのカニを見に行く。

 

んん!?何だこのカニ見たことねぇ!!しかもなんか腹面が赤いし!!

 

初めて見るカニであった。ただ長めで太い眼柄とメッシュ状になっている頬、そして全身に生える毛………この特徴は、おそらく陸地もイケるベンケイガニ系のヤツだ!! すぐさまスマホで検索検索…わからん!!(私に知識が無さ過ぎるだけですハイ)

次に観察館内にあった『干潟ベントスフィールド図鑑』に手を伸ばす。…「ウモレベンケイガニ」?…いやヒメベンケイガニ? その場では答えが出せなかったので自宅に持ち帰らせていただき、第2ラウンドと洒落込むことにした。

 

~第2ラウンド省略~

 

結果はヒメベンケイガニ!!っと自分にしてはかなり珍しく自信をもって同定することができた。決め手となったのはネットで公開されていた論文『 山本藍子 ・町田吉彦 ・佐藤友康.2006.高知県におけるヒメベンケイガニの分布 (カニ下目 ベンケイガニ科).四国自然史科学研究,3:23-28』である。

その中にヒメベンケイガニの形態として『甲は四角形.全身が長短の毛で覆われる. 額は中央でくぼみ,前側縁に眼後歯を含む2歯を備える.鉗脚は掌部から指部にかけて軟毛の房で覆われ,先端は赤色を呈する.第1~第3歩脚の 長節の後縁末端は棘を形成する.第4歩脚の長節は幅広く,その先端縁後部に小さな棘の列を備える.』との記述があり、写真の個体とバッチリ特徴が合致したのだ。

(引用させていただきました。ありがとうございます。もしご迷惑でしたら仰ってください。訂正させていただきます)

 

またヒメベンケイガニの日本での分布は相模湾~九州沿岸で、ちょっと南方寄りのカニのようだ。近年の高気温で分布が広がったりしているのかなぁなどと妄想するが正直何も分からない。今回が初採集だったので、今後も浦安での本種の出現を注意して見ていきたいと思う。

ちなみに現在(2024年7月下旬)、この採集したヒメベンケイガニは自宅水槽5号にて飼育中。

(2024年7月)

上の写真の個体の甲羅を拡大。甲羅はやや横長の四角形で、『 額は中央でくぼみ,前側縁に眼後歯を含む2歯を備える.』(山本藍子 ・町田吉彦 ・佐藤友康.2006.高知県におけるヒメベンケイガニの分布 (カニ下目 ベンケイガニ科).四国自然史科学研究,3:23-28)
『第1~第3歩脚の 長節の後縁末端は棘を形成する.第4歩脚の長節は幅広く,その先端縁後部に小さな棘の列を備える.』( 山本藍子 ・町田吉彦 ・佐藤友康.2006.)
歩脚を裏側から撮影。裏側から見ると長節の後縁末端にある棘がよく分かる
同個体を水から出して撮影。全身に毛があるので、それが水分を保持し、体全体が濡れたような感じなる
腹面を撮影。初めて見た時は「何じゃこの赤色は!?」と驚いた。そういえば「コメツキガニ」のオスの婚姻色もこんな感じだったなぁ
『鉗脚は掌部から指部にかけて軟毛の房で覆われ,先端は赤色を呈する.』(山本藍子 ・町田吉彦 ・佐藤友康.2006.)
顔を正面からアップで撮影。野性味あふれるイケメンだと思う(浦安カニ界では)
眼の下には白い隆起線がある(顆粒の列という感じではない)
水に入れて正面から撮影。水に入れると全身に生えた毛が分かり易い。目盛りは5mm