ヒモムシの一種⑤

特徴

(写真:2023年9月上旬、自宅水槽3号で死んだ巻貝の肉を食らっているのを発見。白い糸のようなものがヒモムシの一種⑤。全長?mm、太さ1mm前後。もしかしたら写真には複数種のヒモムシが写っている可能性もあるが、私には見分けられないので1つのページにまとめることとした)

レア度:? 紐形動物門 学名:? 英名:? よく見られる季節:?

種類不明。2023年9月上旬、ふと自宅水槽3号に目をやると、今まで半年近く水槽のコケ掃除に大貢献してくれていた巻貝の「コシダカガンガラ」くんが、水底に沈んで動かなくなっていた。

とうとうお亡くなりになってしまったか…。感謝と申し訳なさの入り混じる感情の中、「コシダカガンガラ」くんの亡骸をピンセットで取り出そうとすると、何やら、うにょ~んと貝殻にまとわりつく白い糸のような物体を発見。

「あぁ、ヒモムシかなんかが死がいを食べていたのね」

あまり驚きはなかったが、このようなヒモムシを見るのは初めてだったし、また自宅水槽でヒモムシ類が自然発生するのも初めてだったので、「コシダカガンガラ」くんの死がいは取り出さずに、このヒモムシの動向をしばらく観察してみることとした。

まずこのヒモムシ、体は白~薄いベージュをしており、頭部周辺がほんのりえんじ色に染まっている。中には頭部~体の半分ぐらいまでが暗いえんじ色になっている個体もいたが、それらが同種なのかは不明。

太さ1mm内外で、体の後端へ行くほど細くなる。どのくらいの長さがあるかは確認ができなかった。体は非常によく伸び縮みするが、軽く引っ張ったりするだけですぐにちぎれてしまう。ちなみに水生生物に詳しい知人にこのヒモムシの写真を見せたら、「あー水族館とかでよく湧くタイプのヤツですね」と言っていた。

このヒモムシたちは、主に「コシダカガンガラ」の殻口から内部に侵入し、肉を漁っているようだった。また中には貝殻表面に開いた小さな穴から貝殻内部に侵入しようとしている個体もいた。

「コシダカガンガラの身ってけっこう大きいから、こいつらで全部食べ切れるのかなぁ?」と少し心配もあったのだが(貝の身は腐るとマジで臭いので)、それは杞憂に終わる。発見から3日ほど経ったときには、隅々まで食べつくしたようで、ヒモムシの姿は既になく、また貝殻から腐敗臭も全くしなかった(グッジョブです)。

光と栄養で水槽にコケが生え、それを「コシダカガンガラ」が食み、その死がいを名も知らぬヒモムシたちが綺麗サッパリ食らう。

「まさに”食物連鎖”…」

よく聞くワードであるが、それを強く実感する出来事であった。

(2023年9月)

このヒモムシたちは、主に「コシダカガンガラ」の殻口から内部に侵入し、肉を漁っているようだった。また中には貝殻表面に開いた小さな穴から貝殻内部に侵入しようとしている個体もいた
体は白~薄いベージュをしており、頭部周辺がほんのりえんじ色に染まっている。中には頭部~体の半分ぐらいまでが暗いえんじ色になっている個体もいたが、それらが同種なのかは不明
水槽底に敷いたサンゴ砂の中に身を潜めていたのだろう。この水槽(ってか自宅の水槽全て)には浦安で採集した生物・海水以外は一切入れていないので、このヒモムシたちも浦安産ということだろう
サンゴ砂の大きさが大体1~1.5cmほどだ