カイメンの一種①

特徴

(写真:2020年2月下旬採集。直径約3cm、高さ約2cm。形はドーム状で、手触りは硬いスポンジのよう。表面にはアオサ類のような海藻が付着していた。目盛りは5mm)

レア度:? 海綿動物門 尋常海綿綱 学名:? 英名:? よく見られる季節:?

種類不明。2020年2月下旬、まだ海の中は冬真っ盛りのこの時期に「何か生物はいないか?」と、海岸のテトラポッドの上を歩いていたら偶然発見した。このカイメンを発見したのはこの時が初めて。

形はドーム状で、触るとメラミンスポンジのような弾力がある。色は明るい黄色をしており(写真は光の関係でオレンジっぽく見えるが)、体の表面は多少凸凹しているが、他のカイメン類に見られるような目立つ突起や孔は見られない。

そもそもカイメンとは何なのか?よく聞かれるが私はいつも上手く答えられないでいる。なので以下に、『精選版 日本国語大辞典』の『カイメン』の解説文を引用させていただく。

『原生動物および中生動物を除いた後生動物中、最も下等な動物。体の基本形はつぼ状体で、下端で他物に付着する。体は柔らかく、骨片や繊維などが組み合わさってできている。

神経細胞、感覚細胞や筋肉細胞はない。体壁の表面にある多くの小孔から水がはいり、胃孔を通って体の上端の大孔から排出される。小孔と胃腔との間の襟(えり)細胞で食物を摂取する。ほとんど海産、少数が淡水産で、石灰海綿類や六放海綿類などに分けられる。』

 

(追記:2020年4月)自宅へ持ち帰り飼育を行ってみた。水槽に入れてしばらくすると、全身から細く短い突起が多数伸び、和菓子のような見た目になった。さらにそれから1ヶ月後、細く短い突起は無くなり、その代わりに太く長い突起(おそらく吸い込んだ海水を排出する大孔と思われる)が現れた。採集したときの可愛い見た目とはまるっきり変わってしまった…(下の写真参照)。

(2020年4月)

(2024年1月)

2020年2月下旬、採集直後に撮影。真上から見るとちょっと梅干のような感じだ
裏側は平らになっている。テトラポッドにくっついていたが、力を入れるとポロっと取れた
水槽へ入れてしばらく経つと、表面に短い突起が多数現れた。まるで和菓子のようだ
2020年4月(水槽に入れて約2ヶ月後)、最終的にこのような形態になった。吸い込んだ海水を排出する大孔が体から多数伸びている。採集してきたときはあんなに可愛かったのに…この姿には禍々しさすら感じる(戸○呂100%って感じだ)