イタボヤの一種④

特徴

(写真:2023年3月下旬、三番瀬で採集。群体の大きさ約2cm×4cm)

レア度:? 脊索動物門 ホヤ綱 マボヤ目 シロボヤ/スチエラ科 学名:? 英名? よく見られる季節:?

2023年3月下旬に三番瀬で採集(採集したのは私ではない)。

 

以下に『日本大百科全書』の『イタボヤ』解説を引用させていただく。

『原索動物門 尾索綱 壁性目 ボトリルス科に属する群体ボヤ。群体は膜状で厚さ3ミリメートル程度。他物を覆って広がり、ときに直径10センチメートルほどになる。共同外皮は柔らかい寒天質で、ほぼ無色透明。外皮にぎっしりと埋まり込む個虫の体色が透けてみえるため、群体は生時、紫褐色あるいは淡褐色を呈する。

個虫の体長は約3ミリメートル以内。鰓孔列(さいこうれつ)数は10~11。卵巣は精巣の後背方にあり、直径0.1ミリメートル以下の卵を含む。親の体壁が陥入してできた育嚢(いくのう)に入り込んだ排卵直後の卵は、親個虫の退化後も群体の血管系から養分を供給され続け、排卵後約5週間で直径1ミリメートルほどの胚(はい)に成長し、有尾幼生として群体外に泳ぎ出る。着底した幼生は出芽により群体を広げる。

日本の沿岸の潮間帯から潮下帯に普通にみられる。群体や成体個虫の構造が本種と区別しにくいボトリロイデス・シモデンシスB. simodensisなどの近似種がある。[西川輝昭]』。

 

つまり複数の個虫が集まって花のような群体を形成しており、花びら一枚一枚がひとつの個虫というわけだ。またホヤには「シロボヤ」のような「単体ホヤ」とイタボヤのような「群体ホヤ」の2タイプがあるそうだ。

写真のイタボヤの一種④は楕円形の個虫が9~14個ほど連なって、1つの群体を形成している。また群体同士が融合?している部分も多々見られる。

1つの群体をよく見ると、群体の中心は白色でその周りを青紫色の個虫が囲む。さらにその個虫の中央(内部?)は薄い褐色をしている。

パッと見、「ウスイタボヤ」なんかが似ているな~と思うが……おっと、素人の深入りはやめておこう。

(2023年6月)

(2024年5月)

花びらのように見えるもの1つ1つが、イタボヤの群体を形成する個虫(こちゅう)と呼ばれる動物。このイタボヤは楕円形の個虫が9~14個ほど連なって、1つの群体を形成している。また群体同士が融合?しているような部分も多々見られる
1つの群体をよく見ると、群体の中心は白色でその周りを青紫色の個虫が囲む。さらにその個虫の中央(内部?)は薄い褐色をしている