ミル

特徴

(写真:2021年3月上旬採集。高さ約2~5cm。河口の水中の岩から生えているのを発見。これはまだまだ成長途中の子供サイズのミルだ)

レア度:★★★☆☆ 緑色植物門 アオサ藻綱 ミル目 ミル科 ミル属 学名:Codium fragile 英名:? よく見られる季節:初夏~?(冬季はほとんど見ない)

最大で高さ30cmほどになる。浦安では春から寒くなる時期まで、河口や三番瀬の水中にある岩からポツポツと生えているのを見かける。名前と独特の形状から記憶に残りやすい海藻だと思う。

藻体は濃い緑色で光にかざすと緑褐色に見える。枝は円柱状をしており、太さ5~10mmほどの枝が二又~三又に分かれ、全体が扇形のようになる。その枝が多方向に生えるため水中ではドーム状の姿になっていることが多い。また枝は湾曲せず直線的で、先端はとがらない。手触りはフェルト状でザラザラしており弾力がある。学名に「fragile(壊れやすい)」とあるが、たしかに強く引っ張るとすぐにちぎれてしまう。

古くは食用とされた海藻らしいが、個人的にはあまり食欲をそそられない。

(2020年4月)

枝は円柱状をしており、太さ5~10mmほどの枝が二又~三又に分かれ、全体が扇形のようになる。その枝が多方向に生えるため、水中ではドーム状の姿になっていることが多い。目盛りは1cm
枝は湾曲せず直線的で先端はとがらない。手触りはフェルト状でザラザラしており弾力がある

採集する

(写真:2021年3月上旬撮影。河口の水中にて)

枝を強く引っ張るとすぐにちぎれてしまうので、採集するときは岩に付着している部分(付着器)をヘラなどではがして採集する。

海藻の採集全般に言えることだが、海藻を長持ちさせたい場合は根元の付着器を丁寧にはがす、もしくは付着している基質(石やカキ殻など)ごと持ち帰るといい。

飼育する

三番瀬水槽では過去に何度かミルを水槽に入れたことがある。鮮やかな緑色とその形状から水槽に入れるととても映える。

海藻飼育の設備が整っていない三番瀬水槽でも、海藻を食べる生物がいなければ、1~2ヵ月は生存してくれる。そのためタフな海藻という印象があるが、やはり海藻飼育に適した環境でないと、時間が経つごとに藻体に弾力がなくなり、ポロポロとちぎれていってしまう。