ボウアオノリ

特徴

(写真:2020年5月上旬、河口付近で撮影。高さ約15cm。護岸上にできた潮だまり内で発見)

レア度:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 緑藻植物門 アオサ藻綱 アオサ目 アオサ科 学名:Ulvales Ulvaceae 英名:grass kelp よく見られる季節:4月~?

写真のボウアオノリは2020年5月上旬に、河口付近の護岸上に生えていたもの(この場所は干潮時は海中から露出し、広範囲に浅い潮だまりができる)。4月中はあまり姿を見かけなかったが、5月の初旬~中旬になるとその姿が目立つように。ちなみにこのときは最高気温が25℃を超えるような日がチラホラ出てきた時期だった。

 

(追記:2024年6月18日)このページを書いてから4年ほどゆる~く海藻類の観察を続けていた結果、「ボウアオノリってかなり色んな場所に生えていて出現率高いな!!」という印象になった。特に浦安市内河川の中~下流域で淡水の影響があり流れが弱い(もしくは潮だまりのような)場所だと爆発的に増えることがあるようだ。

ただどういうタイミングで発生してどのように成長していくのかがイマイチ分からない。上に挙げたようなたくさん生えている場所でもしばらく経つとその姿が一切消えていたり、また様々な場所でまだ生え始めと思われる小さいボウアオノリを見つけるのだが、そのまま大して成長せず姿を消したり…。ライフサイクルが短いのだろうか?

 

名前の通り藻体は細長く管状になっていて、管の内部には液体と気泡のようなものが見られる(この気泡の浮力で、水中で直立しているのだろうか?)。色は鮮やかな黄緑~緑色をしており、付着器のあたりが少し黒ずんでいる。付着器の少し上で藻体が分岐しており、それ以降藻体の分岐はほとんどないようだ。手触りは柔らかく、荷造り用のビニールひものよう。

ボウアオノリは汽水域にも生息することができるそうで、栄養の多い穏やかな内湾などでは1m近くまで成長するそうだ(むしろ淡水の影響があるところに多い気もする)。

ちなみにボウアオノリはアオサ類の中でも味、香りともにとても良いそうで、食用として利用されているらしい(どこで食べられるのだろう?)。

(2020年5月)

(2024年6月)

2020年5月中旬撮影。河口付近の護岸上にできた潮だまりにて撮影。打ち上げられた貝殻の欠片が溜まった場所に集中してたくさん生えていた。貝殻の白と葉の緑色のコントラストが美しい
海水の中に入れるとフワフワと浮く。目盛りは5mm
付着器の少し上で分岐して藻体が伸びており、それ以降藻体の枝分かれはほとんどないようだ。目盛りは1mm
藻体の上部を拡大。目盛りは1mm
先端部を拡大。藻体は管状になっており、管の中には液体と気胞のようなもの見られる。目盛りは0.5mm
藻体の中間部を拡大
付着器周辺周辺を。付着器付近はかなり細くなっており、手触りは少し硬い。色も少し黒ずんでいる。目盛りは0.5mm
葉の先端部をマイクロスコープで拡大してみる。管状の藻体の内部に気泡のようなものがあるのが分かる。目盛は0.5mm。
藻類の表面にピントを合わせてみる。目盛は0.5mm
2020年5月中旬、河口付近で撮影。ボウアオノリの幼体。芝生のような見た目だ
近づいて撮影してみた
幼体をちぎって採集して、マイクロスコープで見てみた。目盛は0.5mm