アマモ

特徴

(写真:2019年7月上旬、三番瀬で撮影。高さ約100cm。三番瀬の沖200mほどの地点に一か所だけポツンと生えていた。こうやってまとまって生えているのを見るのは現時点では稀である)

レア度:★★★★★★★★☆☆ 被子植物 単子葉類 オモダカ目 アマモ科 学名:Zostera marina 英名:Eel grass よく見られる季節:?

最大で1mほど(葉の長さ)になるらしい。海藻ではなく「海草」(「うみくさ」と読む場合もある)の一種。陸上の植物のように、海底が砂や泥の場所に根をはり、種で繁殖する雌雄同体の多年草の植物(海藻類は胞子で増えるものが多い)。アマモはイネと同じ単子葉類の植物で、イネに似た長くシャキっとした葉を持ち花も咲かせる。

アマモは沿岸の主要な一次生産者であり、水中の窒素やリンを吸収することで海水の富栄養化を防ぎ、沿岸域の水質浄化にも重要な役割を果たしていると考えられている。

また浅い海のアマモがたくさん生えている場所を「アマモ場」と呼び、アマモ場は潮の流れや波を和らげ、さらに外敵からの隠れ家にもなるため、様々な生物の産卵場所、幼稚魚や小型動物の生育場所となる。つまりアマモ場は豊かな海の指標の1つと言える。

 

残念ながら私の知る限りでは(2024年6月時点)、浦安沿岸でアマモがまとまって生えている場所は知らない(沖の方で潜ったりすればあるのかもしれないが)。年によっては三番瀬の岸近くにポツ………ポツ………ポツ………と生えているのを見たりすることもあるが、ほぼ全く見ない年もある。

おそらく三番瀬浦安側にもわずかながらアマモが存在し真夏までは生長するが、真夏の高水温や水質悪化によって枯死し毎回リセットされてしまうため、アマモ場と呼べるような群落が形成できないのではないのだろうか。

写真のアマモも三番瀬の200mほど沖合にポツンとわずか半畳ほどの範囲に生えていたのを撮影したもので、これが自然に根付いてくれたものなら素晴らしいことだが、「浦安には個人的?にアマモを植えている人がいる」という噂を聞いたことがあるので、もしかしたらその人の仕業かもしれない(2016~2020年頃の話です)。

(2020年2月)

(2024年6月)

上の写真の場所を水の上から撮影した様子。このように三番瀬のやや沖合にポツンとまとまって生えていた
こちらは2023年9月中旬に採集したアマモ。高さ約50cm。どこで採集したものかは忘れたが、海底に生えていたものではなく、海底から抜けて流れていたものを拾った気がする。スケールは30cm
地下茎~葉鞘部分を拡大。目盛りは1mm
葉鞘~葉の下部を拡大。目盛りは1mm
葉の下部~中間部を拡大。よく見ると葉の一部に膨らんでいる部分(花穂)が見られる。目盛りは1mm
葉の上部を拡大。目盛りは1mm
地下茎をクローズアップ。地下茎の様子が近縁種の「コアマモ」との見分けのポイントの1つになる。目盛りは1mm
葉を拡大して見てみる。アマモの葉には5~7本の葉脈が先端から根元まで平行に走る
葉の先端部を拡大。先端はわずかに尖る
花穂部分を拡大(左右の2本に注目)。この膨らみのなかにアマモの種子が入っている。目盛りは1mm
花穂を開いてみた。種子が並んで入っているのが見える
種子を1つ取り出してみた。大きさは長さが4mm程度
自宅水槽5号に植えてみた。もちろんこのような環境で育つはずがない