チチブ

特徴

(写真:2017年4月中旬撮影。全長約9cm)

レア度:★★★☆☆ 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 ハゼ科 チチブ属 学名:Tridentiger obscurus​ 英名:? よく見られる季節:5~10月?

最大で10cmほどになる(私はそれより大きいのを見たことがない)。真っ黒な体色と第1背びれの一番前の筋(軟条(なんじょう))が1本長く伸びることや、頭部に小さな白点が密在することなどが特徴。一見地味な魚だが、よく見ると胸びれの付け根にオレンジのラインがあったり、背びれの先端が赤や緑に色づいていたりと中々美しい。

岩の隙間や石の下などを住処にしており、石をひっくり返すと見つかることも多い。産卵期は5~9月頃で、オスは縄張りと巣を持ち、メスを誘って巣の天井に産卵させる。その後卵が孵るまでオスが卵を保護する。

雑食性で、小さな魚や小型の甲殻類、藻類など色々食べるそうだ。

ハゼ釣りの外道として「ダボハゼ」と呼ばれる魚の1つ。

(2020年1月)

採集する

私が生物採集をする場所では大きめの石を引っくり返すと、その下に隠れていることが多い。

また貪欲な魚でエサを見つけるとすぐに食いつくので、釣りでの採集も面白いかもしれない。境川などで岸壁スレスレに釣り糸を垂らすと釣れることがあるそうだが、私はまだ釣ったことがない。

他にはカキの身(護岸に付着しているカキを使う)をエサにしたペットボトルトラップ(びんどう)で採集したこともある。

飼育する

水の汚れにも強く、配合飼料もバクバク食べるので、飼育は簡単だと思う。非常にタフな魚で、仮に水槽の環境が崩壊しても最後まで生き残る魚の1つだと思っている。

性格は貪欲で少々気が強い。腹が減ると小さな魚を捕まえて食べることもある(以前「ボラの幼魚」が食べられたことがあった)。また縄張りを持ち近づいてきた生物を追い払うことがあるので、水槽には十分なスペースと隠れ家を用意したい。狭い場所や洞窟状になった場所を好むようだ。