スベスベオウギガニ
特徴
(写真:2023年5月上旬、三番瀬で採集。甲羅の幅約2cm。オスのスベスベオウギガニと思われる。この個体、左のハサミ脚に左の歩脚が2本、さらに右の歩脚が1本欠損しているボロボロな状態なのだが、元気は一杯であった)
レア度:? 節足動物門 軟甲綱 十脚目 Menippidae科 学名:Sphaerozius nitidus 英名:? よく見られる季節:?
(同定にちょっと自信がありません。他の資料も参照してください。間違っていたら教えていただけると嬉しいです)
2023年5月上旬、ブラっと「浦安市三番瀬環境観察館」を訪れると、スタッフさんたちが今日採集したと思われる生物が水槽に入れて展示されていた。まだ三番瀬歴が浅いスタッフさんが(とはいっても他の分野ではスーパースペシャリストなのだが)、「管理人さん~これ何ですかね?」と水槽の中の生物についてたずねてくる。
それに対し得意げにアレコレ答えながら、「おれも他人から質問されるレベルになったのか…」などとやや自画自賛に浸っていると、見慣れないカニが1匹いることに気が付く。
「これ…!!アレですよ!!あの………スベスベなんとかガニです!!」
締まらない答えである。スベスベと言えば「食ったら死ぬ猛毒ガニ」として有名な「スベスベマンジュウガニ」が有名だが、今回採集されたスベスベオウギガニとは科の違う別種(姿はちょっと似ている気もするが)。
このカニについてはどこかで見た記憶があった。そうだ、ここ観察館に標本が展示されていたのだ。ただ生きたものを見るのは今回が初となった。
さて、このスベスベオウギガニ、甲羅の幅が2.5cmほどまで成長し、名前の通り甲羅の表面がスベスベとしていて光沢がある。また甲羅は丸みをおびた扇形をしている。体色や模様は個体や地域によって色々パターンがあるようだ。
ハサミ脚の関節は太く、こちらも丸みがある。ハサミ脚の先端(指部)は暗褐色をしている。またハサミ脚は左右で大きさが異なる。
歩脚はベージュとこげ茶色のシマシマになっている(この個体は)。また歩脚には短く太い毛が生えている。
ちなみにスベスベオウギガニは「タンクガニ」の別名でクロダイ釣りのエサとして利用されている。特にハサミの部分だけを針に刺して使うと効果抜群らしい。塩で締めて保存もできるそうな。
何だが硬くて食べにくそうだと思うのは私だけだろうか? 匂いが強いなどの利点でもあるのだろうか?
(2023年6月)