トビムシの一種①
特徴
(写真:2024年4月中旬、河口付近でで採集。体長約1.5mm。生きた状態で撮影。非常に小さく遠目で見ると暗い紺色のような体色をしている。後述するがこの生物の体表は水を凄まじく弾く。目盛りは0.5mm)
レア度:? 節足動物門 昆虫綱 トビムシ目 学名:? 英名:? よく見られる季節:?
種類不明。トビムシ類って害虫業界で有名なのね。
写真の個体は2024年4月中旬に河口付近の護岸上(完全に水から露出し乾燥した場所)で、標本用のフジツボのサンプルを採集してたら偶然発見したもの。どういう風に採集したのか詳細は忘れてしまったのだが、護岸に付着したカキ殻やフジツボを剥がした際に、その下から出てきたような…。
実はこれとよく似た生物を過去に河川中流域でも発見していて、その際は潮が引いて露わになった川底と大きな転石の際に集中して群れていた。
その時から思っていたのだが、この生物、異常に水を弾く!! 海水をぶっかけたり水の中に放り込んでかき混ぜても、水を弾いて浮いてくる。何故そうなるのかこのページを書くにあたって調べて見ると、どうやらトビムシ類の体表の構造に答えがあるようだ。
全てのトビムシ類がそうなのかは不明だが、トビムシ類の体表のクチクラ(キューティクル)の表面には、電子顕微鏡で見なければ分からないレベルの小さな凹凸があり、さらにその凹凸はキノコのような構造物が精密に並んでできているのだ。
詳しいことは省略させていただくが、この構造により水は水滴の状態となったままトビムシ類の体表に張り付かない(濡れない)。この構造を「オムフォビック表面」と言い、水だけでなくアルコールや油といった様々な液体を弾くそうだ。
(2024年7月)