テナガエビ

特徴

(写真:2019年9月撮影。オスの手長エビ。全長約18cm(ハサミ脚(第2胸脚)をいれた全長)。「浦安市郷土博物館」で展示中の個体を撮影させてもらった。名前の通りハサミ脚(第2胸脚)が非常に長く太い)

レア度:★★★☆☆ 節足動物門 軟甲綱 十脚目 テナガエビ科 テナガエビ属 学名:Macrobrachium nipponense 英名:? よく見られる季節:6~7月頃

最大で体長が10cm、ハサミをいれた長さが20cm(オスの場合)にも達する大型のエビ。北海道を除く日本各地の淡水・汽水域に生息し、浦安でも河川の中流域の障害物がある場所に多く生息している。食味の良さと独特の引き味から、釣りの対象として地味に人気がある。

テナガエビに関してはあまり知らないので、以下に『日本大百科全書』の手長エビの解説を引用する。

『節足動物門 甲殻綱 十脚(じっきゃく)目 テナガエビ科に属する淡水エビ。水産業上の重要種で、本州、四国、九州各地のほか、朝鮮半島、中国大陸北部、台湾に分布し、流れの緩やかな河川の中・下流域や湖沼にすむ。

体長9センチメートルに達し、第2胸脚が、大形の雄では体長の2倍に達する。額角(がっかく)は水平に突出し、上縁に11~15歯、下縁に2~5歯がある。体色は緑色または緑青色を帯びた褐色を呈し、濃色の複雑で不規則な斑紋(はんもん)がある。

産卵期は5月下旬から9月中旬で、約1年で性的に成熟し、交尾、抱卵後、幼生を放したあとに死ぬ。』

上記の説明には体色が「緑色または緑青色を帯びた褐色を呈し、濃色の複雑で不規則な斑紋(はんもん)がある」とあるが、体全体が半透明の薄いベージュ色をしたもの(大型のオスで)などを見たこともある。

食性はほぼ肉食性で、水生動物や魚の死骸、ゴカイ類などを様々なものを食べる他、藻類を食べることもある。また飼育下でエサが少ないとが少ないと共食いもする。

(2020年9月)

名前の通りハサミ脚(第2胸脚)が非常に長く、大型のオスではハサミの長さが体長の2倍に達することもある

角(額角(がっかく))は水平に突出し、上縁に11~15歯、下縁に2~5歯がある

採集する

(写真:テナガエビのウキ釣り仕掛け。左からウキ、オモリとハリス止め、針。針は非常に小さく独特の形状をしたものを使用する)

一般人が採集するとなると、釣りが第一候補か。

写真のように、上からウキ、オモリ、ハリス止め、針というシンプルな仕掛けで釣る(他にウキ無しの仕掛けや「シモリウキ」を使用した仕掛けもある)。障害物の多い場所やテトラポッドの間など狭い場所を狙うことが多いため、竿の長さは1~2mほどの延べ竿が良いと思う(軽くて手返しも良い)。また夜釣りの方が圧倒的に釣れるため、浮きには「ケミホタル」などの発光体を取り付けることもある。

エサは赤虫が一般的だが、ゴカイ類やサシ(ハエの幼虫)、ミミズ、カニカマ、ソーセージなどを使うこともある。私はテナガエビ釣りを数回しかやったことがないのだが、その中で得たコツとしては・針全体が隠れるように赤虫をつける、・浮きが水面直下に沈むぐらいにオモリで浮力を調整する(テナガエビは違和感を感じるとエサを離してしまうことがあるそうだ)、・早アワセせずじっくり喰い込ませてから釣り上げるだろうか。

また釣ったテナガエビから針を外すのに、ピンセットがあると便利。無理やり針を外すとエビが弱って死んでしまう。エビはなるべく生きたまま持ち帰り泥抜きをさせた方が良いという人が多い。針のカエシをあらかじめ潰しておくと、針が外れやすく生存率も上がる。

釣り方を書いたが、シーズン中、夜に水中をライトで照らすとかなりの数のテナガエビがいるのが見える(日によるが)。もういっそ網ですくってしまった方が早いんじゃないかと思うこともある。

テナガエビ専用の釣り針。非常に小さく、テナガエビが食い込みやすいような形状になっている。目盛りは1mm

食べる

(写真:移動するオスのテナガエビ。この個体は老成し長い間脱皮していないのか、体に白いフジツボ類が付着していた)

唐揚げにして食べる人が多いようだ。たしかに美味いが、個人的には手間暇を考えるとブラックタイガーを買って食った方が満足度が高いかななんて考えてしまう(趣が無いね)。

一般的に釣ったテナガエビは泥抜きが必要と言われている(必要ないという意見もあるが、あまり綺麗でないところで釣ったテナガエビの場合はした方が良い気がする)。

泥抜きのやり方は大きめの容器に水道水を張って、酸欠にならないようにエアレーションと、テナガエビが掴まって体を安定させれるもの(例えば排水口ネットなど)を入れて、半日~1日程度置いておくというもの。ときどき水を交換してやり水質の悪化を防ぐと良いらしい。個人的には正直めんどくさい。

そんな手間から泥抜き作業はせずに、カッターで頭部に切り込みを入れ、内蔵を取り除いてしまうという人もいた。背ワタもとるのだろうか?