ムラクモキジビキガイ

特徴

(写真:2022年4月下旬に三番瀬で採集。貝殻の長さ約13mm、幅約6mm。生きた状態で撮影。うーん見た目といい…名前といい…カッコいい。軟体部がまるで黒いドレスのようだ)

レア度:★★★★★ 軟体動物門 腹足綱 汎有肺目 オオシイノミガイ科 学名:Japonactaeon nipponensis 英名:? よく見られる季節:?

2022年4月下旬に行われた三番瀬生物調査で、「浦安市三番瀬環境観察館」のスタッフさんが採集。私が採集したのではないので(私じゃ絶対見つけられない…)、採集時の詳しい様子は分からないが、スタッフさんは三番瀬の少し沖の方で、海底の砂の中の生物を調査していたようだ。

舌を噛みそうになるが、実にカッコいい名前である。調べて見ると学名に「ジャパン(ジャポン)」と「日本」が入っているではないか!! 何故だか少し誇らしい気持ちになった。

「そういえばこの前、ムラクモキジビキガイがさぁ~」と、何気なく口走ることができれば、周りに生物について”通な”印象を演出できるに違いない(貝屋さんたちの前では黙っていよう)。

貝殻の長さ(殻長)が10mm、幅が5mm程まで成長する小型の巻貝。低潮帯以深の砂泥地に生息する(どおりで岸近くでは見つからないワケだ)。2022年現在では「純絶滅危惧」に指定されており、中々レアな巻貝のようだ、

貝殻は丸みを帯びた紡錘形で、殻は非常に薄く、貝殻表面には明瞭な細い黒色の横縞模様があり、貝殻の各層の境目には黒色の雲状斑の模様がある。

軟体部は黒色で頭部には頭楯が見られるそうだが、私が見てもどれがどれだかよく分からなかった。正面から見ると、ウサギかネズミの耳のような形をした大きな部位がある(下の写真参照)。

観察ケースに入れて動きを観察してみるたが、下が砂泥ではないためか、安定感が無くやや動きにくそう。動くスピードは秒速2mmといったところか。

観察後、標本を作製するために肉抜きを試みたが、見事失敗。「このままだと軟体部が腐ってしまう!」と慌てて薄めたハイターに浸したところ、色が抜けて白化してしまった…(当時の自分のバカー!!)。次は自分で見つけなくてはいけないな…。

(2022年11月)

貝殻は丸みを帯びた紡錘形で、殻は非常に薄く、貝殻表面には明瞭な細い黒色の横縞模様がある。目盛りは5mm
貝殻の各層の境目には黒色の雲状斑の模様がある

殻口は独特な形をしているなぁと思う。何と形容してよいのか。そういえばムラクモキジビキガイは蓋をもっているのだろうか? 自分にはちょっとよくわからなかった。目盛りは1cm

水中と水から出した状態では、貝殻の模様や色がやや違って見える。目盛りは1cm
殻頂付近を拡大
移動するムラクモキジビキガイを正面から撮影。軟体部は黒色で、正面から見ると、頭部にはウサギかネズミの耳のような形をした大きな部位がある
これはどういう状態を撮影したんだっけか…。ミステリアスな貝という印象だ