ウスバアオノリ

特徴

(写真:2020年5月上旬採集。高さ約10cm。「マガキ」の貝殻から藻体が生えている。浦安で非常によく見かける海藻の1つだ)

レア度:★☆☆☆☆ 緑藻植物門 アオサ藻綱 アオサ目 アオサ科 アオサ属 学名:Ulva linza 英名:? よく見られる季節:冬~初夏

(同定にちょっと自身がありません。他の資料も参照して下さい。間違っていたら教えていただけると嬉しいです)

2020年5月上旬、河口の護岸上に「ボウアオノリ」と混じって大量に生えているのを発見(この場所は干潮時、海水から完全に露出する)。

この海藻を発見したはこの時が初めてでなく、同年1月上旬にこの場所を訪れた際、おそらくこの海藻の幼体であろう葉の長さが2~3cmの海藻が、そこらじゅうに生えているのを確認している。そして5月になり、それらが見栄え良い大きさに生長したので写真を撮って図鑑に載せることに。

藻体は鮮やかな黄緑~緑色をした薄い膜状でペタペタと手や物にくっつき、手触りはツルツルとしている。葉は裂けやすく、軽く引っ張るだけで直線的にスッと切れる。

葉の形は被針形や倒被針形、ヘラ形など様々な形しており、葉の先端部に分岐が見られるものもある。

また付着器付近では葉は急に細くなり、そのやや硬く黒ずみが見られることもある。葉全体には緩やかなシワがみられ、葉の縁辺部ではシワが深くなっている(以上、下の写真参照)。

全てがこのウスバアオノリかはわからないが、浦安の海岸のいたるところにこのようなアオサ類が生えている。そういえば2020年4月頃、ある年配の釣り人が「このアオサが生えるとそれを食べるエビが増えて、魚が釣れるようになる。今年(2020年)は生えるのが遅いから、まだ魚がよく釣れない」と言っていた。

確かにこのあたりにたくさんいる「ユビナガスジエビ」などのエビたちはアオサ類をよく食べる。またアオサ類が茂り出すと海で見かける生物もグッと豊富になるような気がする。普段あまり見向きされない浦安のアオサたちだが、生態系の重要な部分を担っているのだなぁと感心した。

(2020年5月)

2020年5月上旬撮影。水没した護岸を覆うように大量に生えていた
葉は様々な形をしているが、付着器付近で急に細くなる点は共通している
葉の先端部では写真のように分岐が見られることもある。葉の縁辺部には深いシワが見られる
葉の中間部
付着器周辺。手触りはやや硬く、黒ずんでいることもある
葉の表面を拡大。目盛は0.5mm