オゴノリの一種①

特徴

(写真:2020年1月中旬採集。長さ約90cm。ルアー釣りをしていたらルアーの針に引っかかってあがってきた)

レア度:★★☆☆☆ 紅藻植物門 紅藻綱 オゴノリ目 オゴノリ科 オゴノリ属 学名:? 英名:? よく見られる季節:冬~初夏?

種類不明。オゴノリ属の一種ではあると思うが、私には正確な同定ができない。海藻の種類にもよるが、海藻の種を正しく同定するには、顕微鏡で細胞の様子を見たり、海藻各部の詳細な形態を観察しなくてはいけない。正直素人には難易度が高い。

「オゴノリ」と一口にいっても、見た目が似たような種がいくつもあるようだ。可能性が高いのは「オゴノリ」や「ツルシラモ」だろうか。

浦安では例年2月ぐらい~初夏ぐらいまでの時期に、三番瀬の岸近くなどでよく目にする海藻。

藻体は細い紐のようで枝分かれが多く、手で持つと腕にまとわりついてくる感じ。色は暗い赤い色をしていることが多い。

私はオゴノリ類を見つけるとワクワクする。何故なら、オゴノリ類にはワレカラやヨコエビといった小型甲殻類がくっついていたり、「メバル」「ヨウジウオ」など多様な生物が隠れているからだ。私は生物採集初心者にいつも「とにかく海藻(オゴノリ類など)を見つけて、それを網でまるごとすくえ」とアドバイスをしている。

磯の岩や河口、干潟の砂泥底に生えているそうだが、わたしは今まで浦安でオゴノリが生えているのを見たことがない。というのは私が過去に発見してきたオゴノリは全て、ちぎれて水中を漂っていたものや、水底に沈んでいるものだからだ。どこからか流されて浦安沿岸にやってくるのか、それとも私が知らない場所に生えているのかは不明である。

(追記:2020年3月)2020年3月、三番瀬の岸近くの岩や海底にポツポツと生えているのを発見した。

オゴノリ類は非常にタフな海藻で、岩などからはがれて水中を漂っている状態でも長期間生きており、また三番瀬水槽のような海藻飼育の環境が整っていない水槽でも長期間生存してくれる。

(2020年3月)

藻体の下側。左端が下側になる
藻体の上側。右端が先端部
2022年4月下旬撮影。三番瀬の護岸から5~10mの範囲の砂地にたくさんのオゴノリ類が生えているのを発見
ちぎれて流されたオゴノリ類は冬~初夏にかけてよく見るが、このように海底からしっかりと生えているの姿は、この時期(4月頃)ならではなのかもしれない

食べる

(写真:採集したオゴノリ類の枝分かれの様子)

オゴノリ類は美味な海藻として知られており、茹でてから刺身のつまなどにして食べたり、テングサ類などとともに寒天の原料として利用されている。しかし素人が海で採ってきたテングサを食べることは絶対にしてはいけない。

というのも、海から採集してきたオゴノリ類を食べて食中毒を起こした事例が国内外に多数あり、死亡者まで出ている。原因はオゴノリ類自体が毒を持つという意見や、オゴノリ類に付着した生物の毒(例えば渦鞭毛藻類やフグ類の卵など)によるものなど様々な意見がある。