紅藻の一種②(海水水槽に生えるやつ)

特徴

(写真:2025年3月下旬、私が管理している「マーレ水槽」の石の上に生えていた。時期は定かではないが、毎年何回も目にする。水の中の栄養分が多すぎるのだろう。あるお手紙をいただいたのがきっかけで、その正体に迫ってみた…!!)

レア度:?(それなりによく見る) 紅色植物門  学名:? 英名:? よく見られる季節:?

「あかいこけはなんですか?」

2025年3月下旬、「マーレ水槽」に上記の内容の質問が投稿された(「三番瀬水槽」では「しつもんにこたえます」コーナーを長年行っている)。筆跡からかなり小さな子供が書いたものだろう。動物ではなくこの海藻?に注目するとは、なかなか良いセンスのある子だ。

そういえば自分もこの赤い海藻?の正体を確かめたことはなかった。毎年生えるし、生えてない時期もある。景観の一部としてほぼスルーしていた。

しかしこの質問を見て「そもそもこれは本当に海藻なのか? 珪藻やラン藻(シアノバクテリア)の可能性はないか? 海藻だとしたら科ぐらいまでは確かめたいな…」と、小~っさなやる気スイッチがONになる。

 

よっしゃ! まずは水槽からサンプリングして自宅へ持ち帰る。そしてサンプルを海水を張った皿に入れ、絡まった藻体をほぐしていく。赤いものの他に緑色のハネモのようなものも混じっていたが今回はこれはスルー。

1本1本はかなり細く(0.1mm未満)、ちぎれ易いが多少のコシはある。付着器のようなものは発見できなかったが、根本の方へ行くと藻体が団子状に絡まって、さらにその表面に緑色~褐色の微細な別の藻類が生え、遠目で見るとこげ茶の塊に見える。

 

ターゲットの赤い海藻?に目を戻すと、まず藻体の太さは一番太い場所で0.07mmで先端に行くほど細くなり、先端部では0.03mmぐらいといったところか(目測です)。

形態はまず太い主軸が1本すーっと伸び、途中数回枝分かれしている(枝分かれがほとんどない場合もある)。また主軸と枝の全体から、細く短い枝?が平面的にほぼ規則的な間隔で伸びており、その細く短い枝?の長さは0.2~0.7mmほどで先端は尖っている。そして数は少ないがその細く短い枝に丸い実ののような物体がくっついている部分もある。

主軸と枝の先端部は細かく分岐しており、ホウキのような感じの見た目。主軸をマイクロスコープで拡大して見てみると、主軸は「竹の節間」によく似た形の円柱状?の細胞(長さ0.2~0.4mmほど)が連なって出来ている。

 

う~ん…この姿、どこかで見たことある。しかも1回ではない。取りあえず珪藻類やラン藻類(シアノバクテリア)ではなく、海藻の紅藻類であるようだ。似た形態の紅藻類を調べてみるが………分からん!!

そう、私のような知識の乏しい人間にとっては海藻の種を同定することは非常に非常に困難で、今回目標としていた科レベルの分類すらままならないことなどしばしば。ごめんよ、質問をくれた子よ…。

 

しかし紅藻類の海藻であるということが分かっただけでも個人的には収穫である。ちなみに水槽汚れの代表格である「茶ゴケ」は珪藻類であることが多い。また海水水槽立ち上げ時など環境が安定していないときに底砂上などに発生する、赤紫や青紫、緑、褐色の色をしたベットリした膜のような物体はラン藻類(シアノバクテリア)であることが多い。

(2025年4月)

上の写真を拡大。モッサリ生えている。まぁ海水中の栄養分が多すぎるんだよね…
1本1本はかなり細く(0.1mm未満)、ちぎれ易いが多少のコシはある。目盛りは0.5mm
付着器のようなものは発見できなかったが、根本の方へ行くと藻体が団子状に絡まって、さらにその表面に緑色~褐色の微細な別の藻類が生え、遠目で見るとこげ茶の塊に見える
形態はまず太い主軸が1本すーっと伸び、途中数回枝分かれしている(枝分かれがほとんどない場合もある)
主軸と枝の全体から、細く短い枝?が平面的にほぼ規則的な間隔で伸びており、その細く短い枝?の長さは0.2~0.7mmほどで先端は尖っている。そして数は少ないがその細く短い枝に丸い実ののような物体がくっついている部分もある
主軸と枝の先端部は細かく分岐しており、ホウキのような感じの見た目
主軸をマイクロスコープで拡大して見てみると、主軸は「竹の節間」によく似た形の円柱状?の細胞(長さ0.2~0.4mmほど)が連なって出来ている