カイアシ類の一種③

特徴

(写真:2019年6月中旬、河口付近で採集。体長約1mm(触角と尾部を除いた長さ)。生きた状態で撮影。見えにくいが体の上端から長い触角が2本生えている。またこの個体は尾部に卵塊をぶら下げている。目盛りは0.5mm)

レア度:? 節足動物門 甲殻亜門 顎脚綱 カイアシ亜綱 学名:? 英名:? よく見られる季節:?

種類不明。どのくらい大きくなるかもわからない。写真の個体は2019年6月中旬に河口付近で採集したもの。

素人目には姿かたちがとてもによく似てため、写真の個体は「カイアシ類の一種①」が抱卵したものだろうと思っていたのだが、2021年に「浦安市三番瀬環境観察館」のプランクトンを専門にしているスタッフさんに写真を見せ尋ねたところ、「これは違う種類ですね」と即答されてしまった(笑) 

私などから見るとどちらも同じに見えるのだが、スタッフさんの話によると「カイアシ類の一種①」は卵を1つずつ産み、このカイアシ類の一種③は房状の卵の塊を持っているところが、まず大きな違いらしい。詳しい違いももっとあるそうだが、その時はじっくりと話しを聞くことができなかった。

またスタッフさんの話では、小さなプランクトン類には他の生物のように、新しく詳細な図鑑がなく(最も新しいのでも20年前ぐらい?に発刊されたものだそうだ)、また小さなプランクトン類は繊細なためサンプルを長期間保存するのも難しいため、なかなかハードな研究対象らしい。これを聞いて私は深入りしないことに決めた。

ちなみにカイアシ類(橈脚類)とは、エビやカニなどと同じ甲殻類の仲間で、専門家の間ではコペポーダ (Copepoda)と呼ばれている。海や湖沼から、水深1万メートルの深海など様々な環境に生息しており、現在までに約12000種が発見されている、地球上で最も繁栄した甲殻類だそうだ。生活スタイルも様々で、水中を漂うように暮らすプランクトン性のものや水底で生活する種類、他の生物に寄生・共生する種類もいる。

カイアシ類はほとんどは1~2mmと小さく、最も大きい種類でも1cmほどだ。カイアシ類は他の動物にとって非常に重要なエサ生物となっており、魚はもちろんクジラや海鳥もカイアシ類を捕食している。

(2021年4月)

(2024年1月)

背景を黒くして撮影してみた。体の上端に長い触覚が2本あるのがわかる。内臓と卵は褐色をしているようだ

採集する

(写真:廃材とストッキングで作った簡易プランクトンネット)

写真のようにストッキングの先にカップを付けた、自作のプランクトンネットで意外と簡単に採集できる。カップ部分には石を入れたり、糸オモリを巻いたりして少し水に沈むようにしてやると採集しやすい。

水の流れが弱くなっている場所や、堤防の内側の角などプランクトンが溜まっていそうな場所を狙う。夜間に光を当ててプランクトンを集めてからネットで採集するという方法もある。