クサフグの幼魚

特徴

(写真:2020年7月中旬、三番瀬で採集。全長約3cm。まだ小さいが、成魚の「クサフグ」とほとんど同じ姿をしている)

レア度:★★★★★★★★☆☆ 脊索動物門 条鰭綱 フグ目 フグ科 学名:Takifugu niphobles 英名:? よく見られる季節:6月~?

全長25cmほどまで大きくなる。日本全国の沿岸でよく見られるフグの1つで、汽水域にも生息することができる。浦安では初夏~秋にかけて、このような小さなフグの幼魚たち(おそらく「クサフグ」以外の種類も混じっていると思う)を浅瀬でしばしば見かける。

 

体型は一般の方が想像するフグ類に比べるとややほっそりしている。体色は背面は暗緑色~オリーブ色でこれは周囲の環境や魚の状態によって多少変化するようだ。また背面全体には白点が散在し、胸びれの上方と、背びれの基底あたりに大きな黒斑があることも特徴。腹面は白い。

胸びれの付け根付近と尾びれの後ろ半分が黄色く染まる場合がある。なお腹びれはない。また体表にはウロコはなく代わりに棘鱗(きょくりん)というトゲで覆われている。

個人的には眼も特徴的だと思っていて、眼球の瞳孔が深い緑色でその周囲が細くゴールドに縁どられており、さらにその周りはオレンジ色っぽくなっている。

口は大きく開かないが、爪切りような強靭で鋭い歯を持つため、様々なものをエサとして利用できる(魚類、甲殻類、貝類、多毛類、棘皮動物、藻類などなど)。

このような歯で釣り糸を噛み切っていくので、釣り人からはかなり嫌われている。さらに嗅覚や聴覚が優れているのか、他の魚が全然釣れない・見当たらないような状況でもどこからともなくやってきて、エサをかじっていく。「やっとアタったー!!」→「クサフグでした」のパターンは釣り人なら誰でも一度は経験する。

「クサフグ」も他のフグ類と同様に膨らむ。膨らむ仕組みは、「膨張のう」と呼ばれる特殊な胃をもっており、そこに水や空気を吸い込んで、膨張のうの前後を筋肉の力で閉じることによって膨らむ。また体を膨らませるためにフグ類にはあばら骨がなく、その代わりに硬い筋肉で内臓を守る。

 

フグなのでもちろん猛毒のテトロドトキシン(TTX)を体内に持っている。筋肉は弱毒で、皮と内蔵は猛毒。浦安でハゼ釣りや投げ釣りをしていると釣れることがあるので、釣れても決して食べないように(フグ中毒はほとんどが無資格者の素人調理が原因だとか)。

繁殖生態が独特で、5~8月の新月か満月の満潮の2時間ほど前になると、大量の「クサフグ」が浜辺に乗り上げるようにやってきて一斉に産卵・放精する(文章では伝わりにくいので検索してご覧になってみてください)。

また淡水にもかなり耐性があり、汽水域や時には淡水域にまで侵入することもある(淡水で飼育している人もいるね)。あと砂に潜る習性があり、その状態で睡眠をとることもあるとか(「クサフグ」以外にも砂に潜る魚、フグは多数いるが)。

(2020年5月)

(2024年6月)

採集する

(写真:ハゼ釣り中に外道として釣れた「クサフグ」。このくらいのサイズになってしまうと動きもすばしっこいので、タモ網での採集は難しくなる)

ある程度大きくなったものは泳ぎも早いのでタモ網で捕獲するのは難しいが、全長3cmぐらいの小型のものなら泳ぎも遅いのでタモ網での採集は可能。

水中の障害物や海藻に寄り添っている場合もあるので、そのようなものを見つけたらタモ網でそれごと掬うと採れることもある。