トンガリドロクダムシ?

特徴

(写真:2022年4月初旬、三番瀬で採集。全長約7.5mm。第2触角が長大に著しく発達している。メス個体の第2触角はこんなに大きくならないそうなので、オス個体と思われる)

レア度:? 節足動物門 軟甲綱 端脚目 ドロクダムシ科  学名:Monocorophium insidiosum 英名:? よく見られる季節:?

(同定に自信がありません。他の資料も是非参照してください)

どのくらい大きくなるかは分からないが、小型甲殻類を詳細な写真とともに解説している有名サイトで、『体長:6.0mm オスの大型個体』との記述があったので、長大な第2触角も入れると1cm程度にはなるのではと個人的に考えている(リンクを張らせていただきました。引用させていただきます。ご迷惑でしたら仰ってください)

写真の個体は2022年4月初旬、まだ水温も低く生物もようやく増え始めたかという時期に、三番瀬浦安側の南東(東京湾側)でルアー釣りをしていたところ、ルアーに引っ掛かってあがってきた海藻?(だったかな?)にくっついていたもの。

ドロクダムシ類自体は生物採集時に頻繁に見かけるのだが、こんなに大きな個体を見ることは珍しかったので、「おぉ!!何も釣れないし持って帰ろう!!」ということにした。​

そして自宅でマイクロスコープ(中華製7000円)を使って一通り撮影した後、「まぁどうせおれの同定力じゃ同定できないだろうし…」という消極的さを含みつつ、そのドロクダムシをそっと自宅水槽にインしたのであった。

それから1年と8か月の時が流れる………

 

2023年、このHPに掲載されている全ての生物のページを加筆修正するという作業を行っていた。そして今日、その作業がドロクダムシゾーンへと突入した。

「とうとうこの時が来てしまったか…」

元々同定力が低いのを自覚している私だが、ドロクダムシ類やヨコエビ類をはじめとする「微小甲殻類」たち(←勝手に私がそう呼んでます)の同定が大の苦手なのだ…というか種まで同定しきれないことがほとんど。

「道具もねぇ!​文献もねぇ!そもそも本物(実物)見たことねぇ!!」状態なのも問題だが、一番足りないのは情熱と勤勉さかもしれない…。そう思いつつも、取りあえず三番瀬浦安側に出現しそうなドロクダムシ類にいくつか目星をつけて、その名前を検索…そして画像と解説を見る…見る……見る………。

「これ…もしかしてトンガリドロクダムシじゃないか…?」

ある干潟ベントスの専門家?(じゃなかったらすみません)の方が書かれているブログの中に、トンガリドロクダムシと干潟でよく見られる他2種のドロクダムシとの見分け方、写真が掲載されていた。それによれば『トンガリドロクダムシのオスは額角の突出が大きく、第一触角の柄部の内側に独特の突起がある』とのこと(リンク張らせていただきました。引用させていただきます。ご迷惑でしたら仰ってください)。

ブログ内の写真と私が撮った写真を何度も見比べる………おぉ!!ある、あるよ!!第1触覚の柄部の内側に小さい山のような形の突起が!! それに額角の突出具合も似てる!!

本来なら他の部位についても詳細に見なくてはならないし、このブログを書かれた方も何百、何千個体のドロクダムシ類を見て研鑽を積んだバックボーンがあるうえで、このような短い文章にまとめてくれてたのだろう。だが、私にはそれは出来ない(すみません…)。

なので、このページに書いてあることはあくまで参考の1つとして、是非ともご自身で色々な資料を見聞きして判断を行っていただきたい。

では最後にドロクダムシについてちょこっと。

ドロクダムシとは「節足動物門 軟甲綱 端脚目」に属する小さな甲殻類。主に砂泥底や付着生物の間に生息し、ツノのように大きく発達した第2触角を持つ。また水中を泳ぐこともできる。

主にドロクダムシの名の由来だが、ドロクダムシ類は砂粒を集め固めて、管(くだ)状の巣を作ることから来ている。自分の体より少し長めの管を作るそうだ(種類によって形状や長さは異なるかもしれないが)。私も実際にそのシーンを見たことがあるが、結構な速さで(~20分もかからない?)巣を完成させていて、なかなか器用なヤツだなと感心したのを覚えている。

(2023年12月)

頭部を拡大。頭部からは非常太く長い第2触角と、その上に柄部が第2触角の1/3ほどの太さの第1触角が伸びる。目盛りは0.5mm

頭部をさらに拡大。触角と触角の間には針先のように尖った額角が見える。さらに第1触角の柄部の内側(額角先端の両横)に小さな山なりの突起がある。これらのトンガリドロクダムシの分かり易い特徴とのこと
体の後半部を拡大。何だかシャコのような体だ。目盛りは0.5mm
体を横にして撮影。長大な第2触角は体の8割ほどの長さがある