シリケンウミセミ

特徴

(写真:2020年5月中旬、河口付近で採集。体長約4.5mm。生きた状態で撮影。オスは「シリケン」の名の通り、背面後部に後ろ向きに伸びる1本の突起を持つ)

レア度:? 節足動物門 軟甲綱 等脚目 コツブムシ科 学名:Dynoides dentisinus 英名:? よく見られる季節:?

(同定に自信がありません。他の資料も参照してください。また本ページにはシリケンウミセミ以外の種の写真が掲載されている可能性があります)

写真の個体は2020年5月中旬に河口付近で採集したカキ殻にくっついていたのを採集したもの。

体の後端にあるヒレ(尾肢というらしい)がウチワのように大きく、体の背面後部には後ろ向きに伸びる太い突起が1本ある。この突起の様子から「尻剣ウミセミ」と名前が付いたのだろう。ちなみにこの突起はメスには見られないそうだ。また写真の個体の体色は暗緑色をしているが、体色は個体によって様々なようだ。

刺激を受けると体をダンゴムシのように丸めて、防御姿勢をとる。

写真の個体を採集したときに同じ場所で、似たようなウミセミ類をたくさん捕まえたのだが、その中には尾肢が写真の個体ほど大きくなかったり、背中の突起が小さかったりするものも多かった。それらが同じシリケンウミセミなのかは正直分からないが、一応下に写真を載せておく。

ウミセミとは、『日本大百科全書』の解説を引用させていただくと、『節足動物門 甲殻綱 等脚目 コツブムシ科のウミセミとよばれる数種の総称。基本的な形態はイソコツブムシなどと同様で、長楕円(ちょうだえん)形であるが、背面が盛り上がってセミを思わす形態からウミセミの名がある。

代表的な種はチビウミセHolotelson tuberculatusとシリケンウミセミDynoides dentisinusで、ともに北海道から九州各地、中国北部に分布し、岩礁の潮間帯の石の下や海藻の根元にすむ。体長1センチメートル内外。チビウミセミの雄では腹尾節の後端が棒状突起として伸びるが、雌では三角形。シリケンウミセミも雌では腹部前節に突起がない。[武田正倫]』。

(2020年5月)

(2023年12月)

横から撮影。背中にある1本の突起がよく目立つ
腹側から撮影
刺激を与えると、このように丸まって防御姿勢をとる。目盛りは0.5mm
防御姿勢を別アングルから
同時に採集した別個体。体長約3mm。シリケンウミセミなのかは不明。上の写真の個体に比べて尾肢が小さく、背中の突起も短い。体色も大きく異なる。生きた状態で撮影。目盛りは0.5mm
同個体を横から撮影。背面の突起は短く目立たない。メス個体か? それとも未成熟なオスか? はたまた別種?
こちらは2020年5月下旬に同じ河口付近で採集した個体。体長約2.7mm。シリケンウミセミなのかは不明。最初に紹介した写真の個体に比べて尾肢が小さく、背中の突起も短い。体色も大きく異なる。生きた状態で撮影。目盛りは0.5mm
同個体を横から撮影。背中の突起は短く目立たない。メス個体か? それとも未成熟なオスか? はたまた別種? 目盛りは0.5mm

こちらも2020年5月下旬に同じ河口付近で採集した個体。シリケンウミセミなのかは不明。一番上の写真の個体に比べて尾肢が小さく、背中の突起も短い。体色も大きく異なる。生きた状態で撮影。目盛りは0.5mm

同個体を横から撮影。こちらの個体の背中の突起はそこそこ長い。目盛りは0.5mm
こちらも2020年5月下旬に同じ河口付近で採集した個体。シリケンウミセミなのかは不明。最初に紹介した写真の個体に比べて尾肢が小さく、背中の突起も短い。体色も大きく異なる。ってか全部同じ種だとしたら体色のバリエーションあり過ぎだろ。生きた状態で撮影。目盛りは0.5mm
同個体を横から撮影。背中の突起は短く目立たない。メス個体か? それとも未成熟なオスか? はたまた別種? 目盛りは0.5mm