アキアミ
特徴
(写真:2025年7月中旬、河口付近で採集。全長約3.5cm(額角の先端から尾の後端までの長さ)。死直後に1時間ほど冷やした海水で保管してから撮影。生きている時は体全体がもっと透明だった。尾肢にある赤い点がよく目立つ。また非常に長い紅白色の第2触角を持つ)
レア度:★★★★★★★★★☆ 節足動物門 軟甲綱 十脚目 サクラエビ科 学名:Acetes japonicus 英名:Akiami paste shrimp よく見られる季節:?
写真の個体は2025年7月中旬に、河口付近で採集したもの。私がアキアミを採集したのはこれが初(2015年~)。また近年では三番瀬浦安側で数個体見つかっているとか。なのでレア度は高めとしている。
採集した日は大荒れの翌日 & 軽度な青潮が発生しており、酸素を求めてか、様々な小さな生物が浅瀬の岸壁際に集まっていた。何を採ろうか迷うほどの密度だったが、取りあえずいつものように護岸際にタモ網を入れ、底引き網のように海底を引いてみる。
とんでもない量のイサザアミ類にハゼ系の稚魚…それをかき分けると見慣れないエビが埋もれているのを発見。
「めっちゃ触角が長い!そして(触角が)赤い!」
下手に手で触れると死んでしまいそうな虚弱さを醸し出していたので、優しくタモ網から小分けケースにイン。3匹捕獲できたが、うち2匹は長い触角が既に取れてしまっていた。
自宅に戻って生物の仕分けと写真撮影を行う。3匹小分けケースに入れたと思っていたが、何故かケース内には1匹しか残っていない(汗) だが幸いにも残っていたのは触角がちゃんと付いている1匹だ(他の2匹は跡形もなく消えていた…採集した生物をキープしていたクーラーボックス内のカニにでも食われたか?)。
まず例のエビを観察ケース(ダ〇ソーの砂糖入れ)に入れて安全を確保。そうしてから採集した生物を、殺し合ったり、ケンカしない組み合わせにして水槽と別のクーラーボックスに入れていく。この際、混泳に弱かったり、逆に凶暴なものは隔離ケースに入れることも。
30分~1時間ほど経っただろうか…ふと最初にエビを入れた観察ケースを見ると、エビがいねぇええ!!!!
飛び跳ねてケースの外に出たか!? 違う!! ん? ケースの壁面に張り付いちゃってる~~~(泣)
この事態はエビではあるあるで、飛び跳ねた拍子に水の表面張力で、ケース内の水の無い部分に張り付いてしまうのだ。種類にもよるがこの状態で時間が経つとそのエビは死んでしまう(当たり前だ)。
「間に合ってくれぇええ…」
急いでスポイトで海水を流し込み、エビを水中に落とす。
………エビは水底で横たわり、ちょっともがいたあと動かなくなった。おれのバカぁああ
生きた状態で撮影、あわよくば飼育をしたかったのだが、こうなっては仕方ない。ケースに保冷剤を入れエビが腐らないようにしつつ、生物の仕分け作業を続けるのであった。
以下に参考として『改訂新版 世界大百科事典』の『アキアミ(秋醬蝦)』の解説を引用させていただく。
『アミの名はあるが,アミの仲間ではなく甲殻綱サクラエビ科に属するエビ。体長3cmに達する。淡い桃色で,死ぬと白色になる。サクラエビに似ているが,頭胸甲に肝上棘(かんじようきよく)があること,額角の基部に1本のとげがあること,第1胸脚がはさみをもつこと,体に発光器がないことで区別される。
産卵期は5月上旬から10月上旬で,例えば体長2.5~3cmの雌で約7000粒を放卵する。9~10月に孵化(ふか)したものは越年し,翌年の5~7月に産卵する。産卵後は死ぬので,寿命は9~10ヵ月である。越年世代から産み出されたものが第1夏世代で,急速に成長して7~8月に産卵する。この世代期間は2.5~3ヵ月にすぎない。第1夏世代によって産卵されたものが第2夏世代で,9月中旬から10月上旬にかけて産卵して死ぬ。寿命はやはり2.5~3ヵ月と短い。
夏に海面近くを群泳しているものを漁獲し,乾燥してサクラエビの代用とするほか,塩漬にして食用とする。主要産地は岡山県を中心とする瀬戸内海,九州東岸,有明海,富山湾で,そのほか韓国西岸一帯にも多産する。東南アジアを経てインドまで分布する。
→サクラエビ
執筆者:武田 正倫』
(2025年7月)
