ヒドロ虫の一種(ガヤ類)①

特徴

(写真:2024年7月上旬、河口付近で採集。高さ約5cm。一見海藻のようだが、”草むら”のような群体を形成する動物である。これはその”草むら”のような群体から1本だけを切り取った姿。目盛りは5mm)

レア度:? 刺胞動物門 ヒドロ虫綱 Leptothecata 学名:? 英名:? よく見られる季節:?

種類不明。しかしその形態や採集時の様子から「ホソガヤ」などのガヤ類だと思われる。

特に珍しい生物というワケではないが、私が生物採集をしているエリアではたまに見る程度。写真の個体は2024年7月上旬の河口付近で護岸のすぐ下の転石上に付着していたのを発見(一番下の写真参照)。付着していた面積はごくわずかであった。

干潮時に水没するかしないかという高さにいたので、今回の場所では低潮線より深い水深帯にもっといるのかもしれない(確認はしていない)。

 

その形態を文章で説明するのが私には難しかったので、以下に『日本大百科全書』の『ホソガヤ』の解説を引用させていただく。ただ、本ページの生物が「ホソガヤ」というわけでわないので、そこは注意してもらいたい。

『腔腸(こうちょう)動物門 ヒドロ虫綱 ヒドロイド目 ホソガヤ科に属する海産動物。高さ5センチメートルほどに達する叢(そう)状の群体をつくっている。浅海の岩石などに付着するヒドロ根より幹が直立するが、幹の基部は太く管束をつくっている。幹のところどころからは不規則に枝が生じ、枝はさらに分枝している。枝上にはヒドロ莢(きょう)がみられ、その中からヒドロ花が莢外に突出している。

ヒドロ莢は短い円筒形、その莢縁は平滑で、多少外方へ開いている。普通、ヒドロ莢の数個の重複がみられる。生殖体は枝上に生じ、細長い卵形である。本州中部より九州にかけての沿岸の岩石、その他に付着して発見される。世界の温帯・亜熱帯の海に広く分布している。[山田真弓]』

(2024年8月)

上の写真と同個体の転石上に付着していた部分を拡大。目盛りは5mm
同個体の中間部を拡大。目盛りは5mm
同個体の上半部を拡大。太い幹とそこから細い枝が平面的に伸びているのが分かる。目盛りは5mm
枝の先端を拡大。枝状に見られる円柱~卵形の物体がヒドロ莢(きょう)ってやつなのだろうか? もっと拡大して詳細に見なければならないな…
採集時の様子。干潮付近に転石上にできた深さ10cmほどの潮だまりの中で、水の動きに揺られていた。群体の高さは5cm前後といったところ
水中にカメラを突っ込んで撮影。知らん人が見たら植物だと思う姿だわな