サヨリ

特徴

(写真:2018年11月上旬採集。全長約32cm。浦安では晩秋と春に、このような大型のサヨリを釣ることができる)

レア度:★★★★☆ 脊索動物門 条鰭綱 ダツ目 サヨリ科 サヨリ属 学名:Hyporhamphus sajori 英名:Japanese halfbeak よく見られる季節:5月、8~11月

最大で40cmほどになる。30cmを超える大型のサヨリは「閂(かんぬき)」とも呼ばれ、高級魚として扱われる。下アゴが長く伸び、銀色に輝く美しい魚体はどこか女性らしさをイメージさせる。

浦安では5月頃になると、5cmほどの幼魚が浅瀬の水面を泳いでいるのを目にするようになる。その後しばらくは浅く流れの穏やかな場所で過ごし、成長するに従い徐々に生活場所を沖合へ広げていくようだ。そして8月に入ると20cmほどまでに成長し、浦安の釣り人が待ちに待ったサヨリ釣りのシーズンがスタートする。釣りシーズンは11月頃まで続き、冬になると浦安沿岸からサヨリの姿が見られなくなる。そして翌年の4~5月頃になると、今度は繁殖を控えた全長30㎝を超える親サヨリが接岸し、第二の釣りシーズンを迎える。

サヨリは流れ藻(ながれも。海面を漂う海藻のかたまり)に卵を産み付けるのだが、その際海藻に乗り上げたり、細長い体が流れ藻に突き刺さって動けなくなって死んでしまうサヨリも少なくないらしい。サヨリならではの命懸けの産卵だ。ちなみに産卵期は4月~夏頃までで、北に行くほど遅くなる。

「サヨリのような女性には気をつけろ」という言葉を聞いたことがあるかもしれない。これはサヨリは美しい外見をしているが、内蔵が真っ黒な膜で覆われており、そこから転じて「サヨリのような」という言葉は「腹黒い」という意味で使われることがある。

(2020年1月)

下アゴのみが長く伸びる。余談だが、サヨリのエラにはほぼ100%「サヨリヤドリムシ」という白いダンゴムシのような寄生虫が潜んでいる(私は寄生されていないサヨリ成魚を見たことがない)
体の後半部。背びれ、腹びれ、尻びれは体のかなり後方に位置している

採集する

(写真:2017年6月上旬採集。全長約5cm。「サヨリの幼魚」

5~6月頃に浅瀬で見られる5cm程度の「サヨリの幼魚」であれば、タモ網ですくうのは難しくない。しかし大きくなるにつれ泳ぐスピードも速くなっていくので、そうなると釣りでの採集が良いと思う。

浦安はサヨリ釣りが非常に盛んで、「浦安釣法」という独特な釣り方まで存在する。毎年サヨリ釣りが最盛期を迎える9~11月の浦安の海岸では、熱狂的なサヨリスト達がズラリと並び竿を振る。(詳しい釣り方については、「浦安釣法」で調べてみてください)。

2016年6月上旬採集。全長約25cm。釣りで採集したサヨリ。条件が良ければこのサイズのサヨリが短時間に連続して釣れることもある

食べる

(写真:サヨリの皮を串に巻いて炙ったもの。これが酒のつまみイケる)

クセが全くなく、甘味がある白身で非常に美味い。個人的には刺身が最高だと思う。釣った当日でなく半日~1日寝かせてから刺身にすると、旨みが数段増してさらに美味。小型のものも十分イケるが、刺身にするなら春と晩秋に釣れる大型のものが特に美味い。

だだ鮮度落ちが早い魚なので、寝かせて刺身する際には以下の注意が必要。①釣ったらすぐにエラと背骨を切断し血抜きをしてクーラーボックスで十分保冷する(バケツに放ったらかしはダメ)②自宅へ帰ったらウロコをと頭を落とし内蔵を取り除く③背骨に残った血合いと黒い腹膜を歯ブラシなどを使ってキレイに取り除く④魚全体を水道水でよく洗う⑤キッチンペーパーなどで水気を十分拭き取る⑥腹にペーパーを詰めさらに魚全体をペーパーで包んでからラップで空気が入らないようにピチッと巻いて冷蔵庫へ②~⑥の作業を行う間は、捌かない魚は保冷剤などの上に乗せて温度が上がらないようにしておくといい

ちょっとこだわり過ぎでは…と思う人もいるかもしれないが、この処理のお陰で今まで私は食中毒など一切なく美味しい刺身食べることができている。また刺身するときは腹骨を切り取る前に皮を剥くと、身を崩さずに皮だけキレイに剥がすことができる。剥がした皮は竹串に巻いて塩振ってコンロで軽く炙ると、酒のつまみに最高。

長々と刺身について書いてしまったが、刺身以外にも、天ぷら、フライ、干物などにしても美味しい。