クロサバフグ

特徴

(写真:2019年9月下旬採集。全長約12cm。青物狙いのルアー釣りでたまたま釣れた(というか引っ掛かったのかな…))

レア度:★★★★★ 脊索動物門 条鰭綱 フグ目 フグ科 学名:Lagocephalus gloveri 英名:Dark rough-backed puffer よく見られる季節:?

(同定にちょっと自信がありません。他の資料も参照してください。間違っていたら教えていただけると嬉しいです)

最大で35cmほどまで成長する。2019年9月下旬に高洲の海岸で「イナダ」狙いのルアー釣りをしていたら、かなり沖の方(岸から100mぐらい)でヒットした。もともとサバフグの仲間は沖合性が強いそうだ。

味の良いフグらしいが、全身に毒がある「ドクサバフグ」と非常によく似ているため、廃棄されることの多い不遇なブグ。ちなみにクロサバフグの筋肉、皮、精巣は無毒で食べられるそうだが、南シナ海のクロサバフグは筋肉、卵巣、肝臓が有毒という報告があるので注意が必要だ。

「ドクサバフグ」との見分けは背中に密集して生える小さなトゲを見て判断する。「ドクサバフグ」のトゲは頭の上から背びれの付け根あたりまで生えているが、クロサバフグのトゲは頭の上から胸びれの上ぐらいまでで、トゲの生えている範囲が「ドクサバフグ」より狭い。

また「ドクサバフグ」の方が体高が高く、また尾びれの切れ込みが深い。

 

さらにクロサバフグは日本で最も漁獲量の多いフグの1つである「シロサバフグ」ともよく似ているが、これとの見分けは尾びれを見るとわかりやすい。クロサバフグの尾びれの上下の先端がはっきりと白くなっているのに対し、「シロサバフグ」にはそれがない。

また「シロサバフグ」のトゲは頭の上から背びれの前あたりまで生えているが、クロサバフグのトゲは頭の上から胸びれの上ぐらいまでで、トゲの生えている範囲が「シロサバフグ」より狭い。

…と偉そうに見分け方を書いたが、私は「ドクサバフグ」の実物や「これは確実にクロサバフグです!!」って個体も見たことがないし、フグに限らず魚は個体によって体色や形態が変化していたりする場合もある。なので同定の際には是非とも他の資料も参照して欲しい。

また近年では異なった種のフグが交雑することによって生まれる「雑種フグ」の存在という問題もあるので、決して素人判断でフグを扱わない方がいいと思う。

ちなみにクロサバフグの食性は肉食性で、魚類や甲殻類、頭足類(タコ、イカ)などを食べるそうだ。

 

それとフグ類の体が膨らむ仕組みだが、「膨張のう」と呼ばれる特殊な胃をもっており、そこに水や空気を吸い込んで、膨張のうの前後を筋肉の力で閉じることによって膨らむ。また体を膨らませるためにフグ類にはあばら骨がなく、その代わりに硬い筋肉で内臓を守る。

(2020年5月)

(2024年2月)

背面に小さなトゲが密集して生えている。クロサバフグの場合、このトゲは頭の上から胸びれの上あたりまでしか生えない
尾びれの上下先端がはっきりと白くなっている
フグ類は「膨張のう」と呼ばれる特殊な胃をもっており、そこに水や空気を吸い込んで、膨張のうの前後を筋肉の力で閉じることによって膨らむ。また体を膨らませるためにフグ類にはあばら骨がなく、その代わりに硬い筋肉で内臓を守る。またフグ類はウロコの代わりに棘鱗(きょくりん)というトゲを持つ
メタルジグ(ブルピンカラー)で釣れた…というか引っ掛かった感じか。フグ類は好奇心が強いものが多く、エサはもちろんのこと、キラキラしたものやゴツゴツと音を発するものなどに執着を示すことがよくある(それで釣りたくなくても釣れてしまう)