カタクチイワシ

特徴

(写真:2019年8月下旬、河口付近で採集。全長約10cm。河口付近の護岸の上に打ち上げられていた。何かに追いかけられたのだろうか? 浦安でこのような光景見るのは初めてのことだった)

レア度:★★★★☆ 脊索動物門 条鰭綱 ニシン目 カタクチイワシ科 学名:Engraulis japonica 英名:Japanese anchovy よく見られる季節:8~11月

最大で全長18cmほどになるそうだが、よく見かけるのは10cmぐらい。「カタクチ」の名前の通り、上アゴが長く伸びており硬い。東京湾奥見られるイワシの中で最も身近なのがこのカタクチイワシだろう。浦安では時々群れが入ってくる程度だが、すぐ近くの若洲海浜公園などではシーズン中、イヤというほど釣れる。

干物や煮干などに加工され私たちの食卓に欠かせない魚だが、海の生態系にとっても非常に重要な魚で、このカタクチイワシをエサとする魚類、鳥類、海獣類は非常に多い。東京湾奥でも、「スズキ」「ブリ」「タチウオ」、「サワラ」、「アカカマス」「マサバ」など多くの魚類がカタクチイワシを捕食している。

また釣り人にとってもこのカタクチイワシの動向を知ることが、釣果へ繋がると言ってもいい。ちなみにカタクチイワシの稚魚(だけではないが)も「しらすぼし」や「ちりめんじゃこ」として利用されている。

主にプランクトンを食べる。下アゴだけを大きく開けて(上アゴは動かない)、海水ごとプランクトンを飲み込みエラの鰓耙(さいは)で濾しとって食べる。産卵期は4~10月と長い。

(2020年1月)

「カタクチ」の名前の通り、上アゴが長く伸びており硬い。また魚体に対して大きな眼をしている
ウロコが非常にはがれやすい。手で直接触るとすぐにウロコがはがれ、弱ってしまう

採集する

(写真:2019年8月下旬、河口付近で撮影。護岸上に打ち上げられたカタクチイワシ)

泳ぎ回る魚なので、タモ網での採集は少し難しい。投網ならいけるかもしれない。最も一般的な採集方法はサビキ釣りで釣ること(詳しくは「サビキ釣り」で調べてみてください)。

夏~秋にかけて、「カタクチイワシが釣れている」という場所でやれば高確率で釣れると思う。釣り場に付いたらまずコマセを撒いて魚を寄せながら道具の準備をする。

魚が釣れ始めるまではコマセを惜しまず撒き、魚が釣れ出したら少量ずつコマセを撒き続け群れをその場に留め続ける。カタクチイワシは海の上層を泳いでいることが多いので、そこを狙って仕掛けを上下に動かして魚を誘う。

食いが悪いときは細い仕掛けを使ったり、集魚板を付けたり、サビキの色を変えるなど工夫してみるといい(オススメは「パニックサビキ」というサビキを使うこと。このサビキだとエサがなくても釣れる)。

余談だが、カタクチイワシが釣れているときは、付近にそれを狙う大型魚が潜んでいることが多いので、生きたカタクチイワシをエサにして狙ってみるのも面白い。

食べる

食べ方は非常に多彩で、刺身、干物、塩焼き、唐揚げ、天ぷら、オイルサーディンなど。骨が柔らかく食べやすい。これは魚も好んで狙うわけだ。

新鮮なカタクチイワシの刺身は絶品との噂だが、昔若洲で釣ったものはそうでもなかったな(場所や時期が悪かったのか?)。