カゴカキダイ
特徴
(写真:2022年7月上旬撮影。全長約12cm。2020年6月上旬に河口付近で採集した、全長約2cmの幼魚を飼育して大きくしたもの。浦安で貴重な”ハデな”魚である)
レア度:★★★★★★★★★★ 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 イスズミ科 学名:Microcanthus strigatuss 英名:Stripey よく見られる季節:?
最大で全長20cmほどになる。写真のカゴカキダイは、2020年6月上旬に河口で偶然採集した全長約2cmほどの幼魚を、飼育して大きくしたもの(その時の詳細は「カゴカキダイの幼魚」へ)。
カゴカキダイ自体は特段珍しい魚というわけではないが、浦安で発見するのは非常に稀で、採集できたのも過去8年間でこの1匹だけ。そのため本HPでのレア度はMAXとさせていただく。
体高が高く、眼の上から背びれにかけてが著しく盛り上がっており、この盛り上がりの様子が「駕篭担(かごかき。駕篭に乗る人をかつぐ職業の人。時代劇に出てくるアレである)」の盛り上がった肩を思わせることから「駕篭担鯛」の名前が付いたそうな。
体は側偏しており、頭部は小さく吻は尖り、その先端に小さな口を持つ。ウロコは小さく剥がれにくい。
体色は白色~鮮やかな黄色の地に、太くはっきりした5本の黒いシマ模様(これは魚類学的には縦ジマとなる)を持つ。よく見ると眼球の中にまで黒いシマ模様が走っており、これは眼をシマ模様の中に隠すことで外敵に眼を攻撃されないようにしているものと思われる。あとは背びれ後方部に大きな黒斑がある。
このような見た目から「ナベカ」と並んで、タ○ガースファンには堪らない見た目かもしれない。
食性は肉食寄りの雑食性で、小型甲殻類やゴカイ類、藻類など様々なものを食べる。飼育下では配合飼料やクリルもよく食べる。産卵期は4~5月頃との情報がある。
(2021年7月)
(2024年2月)
飼育する
(写真:2021年1月上旬、マーレ水槽にて撮影。全長約8cm。2020年6月上旬に採集した全長約2cmの幼魚が成長したもの)
上の写真の個体は最終的にマーレ水槽で展示することとなった。飼育環境は90cmオーバーフロー水槽、水温通年22℃、比重1.023、硝酸塩かなり多い、混泳生物他種多数。
水槽の中~上層を活発に泳ぎ、その特徴的なフォルムと鮮やかな体色から非常に水槽映えする魚だと思う。実際に子供たちからも大人気だった。
環境の変化や水の汚れにも強く、また餌付きもとてもに良い(すぐに配合飼料を食べるようになる)。飼い易い魚と言って間違いないだろう。また成長も速い。
しかし少々元気が良すぎるのが玉にキズか。食欲旺盛で泳ぎも力強いため、コイツが水槽内にいると、底の方にいる魚やヤドカリ、カニなどの底生動物にエサが十分に行き渡らない。
また空腹状態になると、尖った口を上手に使って、水槽内の食えそうなものを手当たり次第に食ってしまう。石の表面をつついたりもしていたので藻類も食べるのだろうか? 見た目はスネ夫だが、その存在は水槽のジャイアンと言っていいだろう。
(追記:2024年2月8日)そのまま順調に成長していくと思われたが、2023年に何の前触れもなく突然死んでしまった。毎日水槽を見られるわけでないので、詳しくは分からないが、本当に突然だった。全長12cmほどまで成長し、「そろそろ別の大きな水槽に引っ越さないとなぁ」と思っていたところだった。
ざっくりと計算すると3歳は超えていた。ネットを散見すると、「寿命は5年~」といった情報が多い。寿命は飼育環境に大きく影響を受けるので何とも言えないが、少し短いような気がする。大きな存在を失った。合掌。