イソギンポ

特徴

(写真:2019年9月上旬採集。全長約7cm。体色は個体や魚の状態によって変化する。これはやや興奮状態。目盛りは5mm)

レア度:★★★☆☆ 脊索動物門 条鰭綱 スズキ目 イソギンポ科 イソギンポ属 学名:Parablennius yatabei 英名:? よく見られる季節:5~9月

10cmほどまで成長する。岩など障害物の多い場所に生息しており、頭にある2本の角のような突起(皮弁(ひべん)という)がトレードマーク。イソギンポの仲間は種によって様々な形の皮弁を持っており、種類の見分けるのに役立つそうな。しかし皮弁自体の役割はよくわかってないらしい(そういえばピッコロのアレは何か機能があったかな?)。

大きな顔にギョロッとした目で非常に愛らしい姿をしているが、口には鋭いキバがあり、噛まれると痛いらしい。また体にはウロコがない。

雑食性で色々食べるようだが、具体的に何を好んで食べるかはよく分からない。小型の甲殻類や小さな海藻だろうか。繁殖期は初夏~夏頃。

(2020年1月)

2022年7月中旬に採集した個体。全長約8cm。浦安で見るイソギンポはこんな感じの体色をしているものが多い気がする。目盛りは5mm
体の後半部から尾びれを拡大。目盛りは5mm
面白い顔をしていると思う。この個体はイソギンポの中ではイケメンだな。この写真を見て気が付いたが、下アゴから腹びれにかけて黒いシマ模様が現れている
皮弁(ひべん)を拡大。思ったより複雑な形状をしている
胸びれはウチワ型で大きい。腹びれで頭部を支え持ち上げるような動作をする
目盛りは5mm
こちらは2022年5月上旬に採集した、全長5cmほどの小型個体
こちらは暗緑色が強い個体

採集する

(写真:2022年10月上旬、三番瀬で撮影。カキ殻から顔を覗かせるイソギンポ)

障害物が多い場所に生息しており、近づくと岩の間などに素早く隠れてしまうので、タモ網での採集はなかなか難しい。私はイソギンポを捕まえるのが苦手だ。

イソギンポの採集が上手い人によると、「イソギンポがいそうな岩」というのがあり、その岩の側でタモ網を構え、足でイソギンポを追い出しつつ、網に掻き込むようにすると捕れるらしい。水中に沈んだ漁網や海藻の塊に隠れていることも多いので、それをタモ網で丸ごと掬うと採集できることもある。

私は釣りでの採集が簡単だと思う。夏頃にタナゴ用やテナガエビ用の針にエサ(アオイソメやオキアミなど)を小さくつけて、岩の隙間などに入れるとよく釣れる。

またペットボトルトラップ(びんどう)で捕まえたこともある。エサはその辺の「マガキ」を叩き割って使う。

河口付近でペットボトルトラップ(びんどう)を使って採集した個体

飼育する

(写真:2016年2月撮影。全長約8cm。マーレ水槽で2~3年?飼育していたイソギンポ。水槽に入れて飼っていると、何故か体色がこのような赤っぽい色に変化していく)

環境の変化や水の汚れに強く、餌付きもとても良い。配合飼料もすぐに食べるようになるので飼育は容易。物陰から頭だけを出し、キョロキョロと辺りを見回す仕草が愛らしく、三番瀬水槽でもイソギンポのファンは多い。

ただ他の生物をつつくなど、攻撃的な面が強いので狭い水槽での混泳はあまりおススメしない。食欲旺盛なので小型のエビやカニなどを食べてしまうこともよく起こる。

さらに水槽内だと他の魚のヒレをかじる習性があるようで、同居させていたカレイ類のヒレをボロボロにされてしまうことが何度もあった。なのでカレイ類との混泳はしないこととした。

そういえば、イソギンポは飼育をしているとだんだん体が赤っぽくなっていくことが多い。これは何故だろう?