タテジマフジツボ

特徴

(写真:2022年10月中旬、三番瀬で採集。カキ殻にタテジマフジツボが付着していた。フジツボの直径約1cm、高さ約7mm(写真中心の個体))

レア度:★☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 節足動物門 顎脚綱 無柄目 フジツボ科 学名:Amphibalanus amphitrite 英名:? よく見られる季節:一年中?

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殻の直径が1cmほどにまで成長する。沖縄を除く日本各地の沿岸でよく見られるフジツボの1つで、内湾の筏や桟橋、船の底などに多く付着する。外来種であり、1930年台に船体に付着したりバラスト水などによって日本に運ばれてきたそうだ。

浦安で最も頻繁に見かけるフジツボの1つで、特に河口部~河川中流域に多い印象がある。金属製の杭や柵に密集して付着してると思えば、その周囲の護岸にも「イワフジツボ」「シロスジフジツボ」と混じって付着しており、またカキ殻に付着しているのもよく見かける。かなり様々な基質に付着できるようだ。

また季節や場所によって小型個体ばかりが付着しているケースも見られる。環境の変化や低塩分にも強く、長時間の干出にも耐える。

殻は白色をベースに、暗い紫色の細い縦ジマ模様が入る。殻の真上から見ると楕円形で表面は凹凸が少なく滑らか。しかし付着している場所やその密度によって殻の形態は変化し、殻が円筒形に近くなっているもの、表面が凸凹してしているもの、シマ模様がほとんど見えなくなっているもの、またこれらの特徴が組み合わさったものも見かける。

殻は「シロスジフジツボ」などと比べると薄く、欠けやすい(指でグッと力を入れると潰せる)。

殻口が殻に対して大きめで、殻口は縦長の歪な五角形や縦長の菱形をしているものが多かった。また殻口の縁辺がギザギザになっている個体も見たことがある。蓋(蓋版)を構成する4枚の板(楯板と背板)の上部が白く縁どられており、またよく見ると蓋には細かな横スジか密に並ぶ(下の写真参照)。

タテジマフジツボは高密度で群生しているのをよく見るが、個体同士の接着は弱く、また基質への付着力も「イワフジツボ」「シロスジフジツボ」などに比べると弱い。そのため手で簡単に引き剥がすことができる。

萬脚(まんきゃく)はつる状で、色は薄い褐色~焦げ茶色をしていた(下の写真参照)。

 

ここでフジツボとは何なのかということに触れたい。その姿から貝の一種だと誤解されがちだが、フジツボとは「節足動物門 顎脚綱 フジツボ亜目」に属する甲殻類の総称のことで、非常に大まかなくくりで言えばエビやカニと同じグループに入る生物。

しかし体の作りはエビ、カニなどとは大きく異なり、体は堅い石灰質の殻に覆われ、基本的に移動はせず岩や護岸に多数集まって固着生活をする。食事は火山の噴火口のような殻口から、つる状(羽根っぽくも見える)の萬脚(まんきゃく)を伸ばして水流を起こし、プランクトンなどを捕らえて食べる。またフジツボは雌雄同体で体内に精巣と卵巣両方を持つ。ちなみに全てのフジツボは海産だそうだ。

フジツボたちは船の底やスクリュー付着して船のスピードを遅くさせたり、養殖貝に付着して漁業ダメージを与えたり、発電所の冷却水路をつまらせたりするため、人間社会からはやや厄介者扱いされている生物である。ただ地方によっては大型のフジツボ類を食用としており、かなりの美味だとか。

(2021年2月)

(2024年5月)

上の写真の個体を横から撮影したもの。殻は白色をベースに、暗い紫色の細い縦ジマ模様が入る
同個体の殻口を拡大。殻口が殻に対して大きめで、殻口は縦長の歪な五角形や縦長の菱形をしているものが多かった。ま蓋(蓋版)を構成する4枚の板(楯板と背板)の上部が白く縁どられており、またよく見ると蓋には細かな横スジか密に並ぶ
こちらは2012年1月下旬に河口付近で採集したもの。タテジマフジツボは付着している場所やその密度によって殻の形態は変化し、殻が円筒形に近くなっているもの、表面が凸凹してしているもの、シマ模様がほとんど見えなくなっているもの、またこれらの特徴が組み合わさったものなどを見かける
萬脚(まんきゃく)はつる状で、色は私が見た中では薄い褐色や黒褐色をしていた

2021年1月上旬、河口付近で撮影。1つのフジツボの直径約0.5~1.5cm、どこからか河口に流されてきた金属製の杭に多数付着していた。これが私にとってタテジマフジツボとの初遭遇であった(たぶんそれまでも普通に周りにいたけど、気付いていないだけだったのだろうが…)

拡大してみる。杭の錆の色が移ったのだろう、このタテジマフジツボは赤褐色に薄く染まっていた
2012年1月下旬に河口付近で撮影。高密度で群生するタテジマフジツボ(他の種類のフジツボも混ざっていると思う)。
繰り返しになるが、このようにタテジマフジツボは付着している場所やその密度によって殻の形態は変化し、殻が円筒形に近くなっているもの、表面が凸凹してしているもの、シマ模様がほとんど見えなくなっているもの、またこれらの特徴が組み合わさったものなどを見かける